「速記」は難しくありませんか?
「速記」というのは、決して特殊な才能を必要とするような技術ではなくて、
私たちが日常使用している文字と同じ「文字」の一種ですから、だれにでも覚え
られますし、だれでも使っていくことができます。
私たちが小学校1年生のとき、平仮名を学びましたが、「あ」という文字は今
から考えると非常に難しい形をしております。速記文字の「ア」というのは「
」という形です。片仮名の「ア」の3画目だけを書けばよいことになります。
速記文字の「イ」というのは「」という形です。速記文字の「ア」をひっく
り返した形です。
このように、速記文字というのは「すべての音が1画で書ける文字」です。で
すから、覚えるのも簡単ですし、実際に書くときにも簡単です。平仮名を覚え、
片仮名を覚え、そして2,000字近い漢字を覚えて自由に使っている皆さんですか
ら、速記文字を覚えることはそれほど難しいことではありません。速記文字とい
うのは中学校3年生程度の学力があれば楽にマスターできるようにつくられてい
ます。
ただ、脅かすわけではありませんが、速記の学習で何が一番難しいかといえば、
それは「繰り返して練習しなければならないこと」だろうと思います。しかし、
これは速記に限らず、どんな文字であっても繰り返して練習しなければ無意識に
手が動くようにはなりません。皆さんも、小学生のころ一生懸命に平仮名や片仮
名を繰り返して書いて、現在すらすらと書けるようになっているわけです。文字
に限らず、ピアノを初めすべての技術は繰り返すことによって自分のものになっ
ていきます。