特殊漢音縮記法は、文章で説明すると複雑に思えるが、速記文字でみるとそう難しいものではない。瞬間的には使えないと思うが、
最初はあらかじめ言葉を用意しておけば、なれてくると速記文字の前後で反読ができるようになる。
従来の交差法をさらに発展させた法則である。
四字熟語を下記のように分けて考える。
例 「国民経済」の場合
国民……A語
経済……B語
に分類し、A語の方は従来の方法で書き、B語のケイザイ
をさらに分類して書く法則である。
原 理
@ 公式 A+B=AB
A A、Bの相関連する漢語を、Aの位置を利用してBの一部を書き、Bの省略された部分の音はBを書いたAの位置で示す。
B A、Bの間に助詞、助動詞が入った形にも適用できる。
C 外来語にも応用できる。
D 通常本法によって書いている語が、A+Bという相関連した形ではなく、単独に存在した場合でも、文脈で判断できる場合には、本法を用いてもよい。
B音の構成
X型
Y型
*○は1音をあらわしている。すなわち直音、幼短音である。
*ウを帯有する長音、幼長音は、元来1音であるが、ここでは便宜上○ウと表示して、あたかも2音のように扱っている。
*Bの語を、上記のX型、Y型の2種類に分類した。そして、各音に対して説明の都合上O、P、Qの名称を与える。
O=Omission(オミッション=省略の意)
P=Position(ポジション=位置の意味)
Q=Qunitity(クワンティティ=数量をあらわす符号の意味)
Pをあらわす方法
イ………Aに相当する符号の中部にBのQを交差する。(中部交差)
*交差できないときは、正側中部に平行させる。
ン………Aに相当する符号の中部に空間をとって、BのQを書く。(中部空間)
ツ・チ…Aに相当する符号の尾部に空間をとって、BのQを書く。(尾部空間)
ク………Aに相当する符号の尾部にBのQの頭部を突き出す。(ツノ出し)
キ………Aに相当する符号の尾部にBのQの頭部に交差する。(尾部交差)
ウ………Aに相当する符号の中部にBのQの頭部に接触させる。(中部接触)
*接触できないときは、負側尾部から平行させる。
書き方
@ Qに相当する符号を、Oを省略して、Pの位置へ書く。
*結局、X型はPが順記、Y型はPが逆記の形で示される。
A Qの○ンは1uN符号を使用してあらわしてもよい。小円逆記の符号を使うときは、小円は省略する。
B Qの○ツは、有尾小円逆記の方法によらないで、清音符号であらわす。
*そのとき、○が6uのときには1u化する。
|