速記方式の呼び名についてお尋ねいたします。 「速記道楽」の中に紹介されている色々な方式名を見ますと、「○○式」と表記 されているもの以外に、「速記方式問題レベル1(1)」の中の第5図「藤木案」 のように、「○○案」というものがあります。さらに、「○○派」といったもの もありますが、どういった基準や判断から、呼び名が区別されているのでしょう か。 |
「○○式」「○○案」「○○派」については、実用化されたものを「○○式」、実用化しなかったものを「○○案」と区別をしております。 我が国の速記界では、多くの速記方式が発表されて自然消滅をしております。母式の一部分を改良して「○○式」と名乗っている方式もありますが、独創的な速記方式となると方式数はかなり少なくなると思われます。 田鎖式系統でも「○○式」と名乗っている方式がありますが、一括して「田鎖式系諸案」という分類ができます。 単行本等でも「○○式速記法……」「○○式速記術……」と書いているものもありますが、本の中身は「○○案」というものもあります。 「○○派」は、1つの方式内部で研究・改良をされたものであり、研究者自身が「○○式」と名乗るかどうかだと思います。母式の速記法則を研究・改良していても、母式名を名乗っていれば「○○派」と解釈をしております。 1つの速記方式でも長い歴史を持っている場合には、研究者・改良者によっていろいろな書き方が生まれてきます。研究者が「母式」を名乗っている場合には「○○式○○派」「○○式□□派」「○○式△△派」の場合は総称して「○○式」と分類をしております。 「○○派」という言葉は、1つの方式内における速記法則の細かい分類方法であり、「派」があるから「派閥」ができるという性質のものではありません。 |