中根式の質問箱 (5)


 速記文字の同形異音

「中根式速記概要」の「35.平行法」に、「アジア・アフリカ」というような例 が掲載されております。
「キャク」と「キョク」に同形の省略文字が使われている方式を目にしたことが あります。しかしこれでは、「脚線美」を「曲線美」と誤訳する可能性が大きい ので危なっかしいですね。

 同様に、徹夜マージャンの話題を速記するような場合、「連日連夜」と「連戦 連勝」は非常に危険だと思いますが……。

 朗読文や発言の中に、アジアとアフリカが混在して出てくるような場合、この 方法では対処できないと思いますが、咄嗟の場合にどういった対応をしたらいい のでしょうか。





 「アジア・アフリカ」は「ア」を2つ並べて書きますが、単独の場合には別の書き方があります。
 「アジア」はインツクキ法の「チ」(有尾小円)で「アち」を「25.9u略法」で書きます。
 「アフリカ」は「24.各行縮記法」ハ行縮記法の「逆大カギ」で「アふ」を9u化して書きます。またはハ行縮記法の「アふ+カ」でも書けます。
 ハ行縮記法では「アフガン」は、「アふカん」。「アフガニスタン」は「アふタん」と書き分けます。

 「連日連夜」と「連戦連勝」は、同形ですが、どちらを使用してもかまいませんが、書き分け方があります。2番目の「レ」を頭にそろえた形と、「○ン○ン」と同じく中部空間で書く方法があります。
 「連日連夜」は、「レ」の頭をそろえた形にして、「連戦連勝」は「レンセン」で「ン」が入っているので中部空間の方を使用された方がわかりやすいと思います。
 また別の方法としては、どちらかの「レ」に小円をつけて書く方法もあります。
 


 あらかじめ速記文字を習熟しておけばよいのですが、とっさに出てきた場合には、基本文字のままで書いてもかまいません。
 省略法が使えない場合には基本文字で書いた方が無難です。書き終わってから速記文字を書いて習熟しておきましょう。
 逆にとっさに省略をして書くと、反訳時には読めなくなる場合もあります。
 特に「9u略法」及び「中間小カギ」などは速記文字をあらかじめ決めておかないと、反訳時に読めなくなりますので、臨時的には使用しない方が無難です。

 紛らわしい速記文字は、あらかじめ別の形にしておきましょう。

 「中根式速記法概要」は、あくまでも「概要」ですので、詳細な説明をしておりませんし、私が使用している体系の一部分を簡単に紹介しているものです。
 私自身が使用している法則体系で掲載をしていないものもあります。「概要」は容量の関係で法則体系を抜粋したものです。

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