社団法人日本速記協会 第147回速記検定〔平成16年1月〕 3級問題 〔問題文〕分速240字×5分間  @まず初めに、朝食についてお話をします。  ある食品メーカーの調査によりますと、朝食をとらない人がふえているという ことであります。特に、女性や子供たちにその傾向が目立っているそうでありま す。中でも、二十代の女性は、そうした人が十年前に比べて五倍にもふえている のであります。  なぜ食べないかという理由のトップは、何となく習慣で食べないというもので ありました。次いで、朝起きるのが遅くて食事をする時間がないというふうにな っています。  このような女性がふえていくことは、本人の健康はもちろんでありますが、将 来、母親になったときの体力の低下ということにもつながるおそれがあります。 また、子供たちにも悪い影響を与えかねないのであります。母親が食べなければ 子供も同じようになってしまうのは当然であります。小学校でも、朝御飯を食べ ないことが習慣になっている子供がふえているという指摘もあるそうであります。 このように、朝食を軽視する流れが今後ますます強まっていくのではないかと心 配しています。  朝食の役割はとても重要であります。まず、体や脳を目覚めさせて、一日のパ ワーの源になります。また、眠っている間に少なくなったビタミンなどを補う働 きもあります。あるいは、空腹の時間が長くなりますと、いらいらして集中力が なくなります。また、ストレスを感じやすくなるそうであります。ですから、朝 食を食べない人ほど体調を崩しやすくなるのであります。  この機会に、朝食の大切さを改めて考え直したいものであります。  次に、新しい自動車についてお話をしたいと思います。  車にもいろいろな流行というものがあります。かつて、スピード感を/A重視 したスポーツカーがブームになったことがありました。バブルと呼ばれた時代に は、車内のつくりの豪華さを競ったこともありました。最近は、大勢で山や海に 出かけるのに便利な車でありますとか、都会の狭い道でも走りやすい小型の車が ふえているようであります。  こうした中で、今、注目されているのが、環境をなるべく汚さないように考え られた車であります。その代表が、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせた 車であります。このような車は町の中でもよく見かけるようになってきました。  さらに、世界じゅうのメーカーが開発に取り組んでいるのが、電気だけで動く 自動車であります。小型のモーターで走るので、排気ガスを出すことがありませ ん。また、大きなエンジンがありませんから、車内のスペースを広く使うことが できます。デザインも、これまで私たちが車に対して持っていた常識を大きく超 えるようなものが発表されています。走るときに余り音がしないので、わざと音 を出すようにしている車もあります。安全の面についてもさまざまな工夫が盛り 込まれています。  しかしながら、このような車には技術的に解決しなければならないことがいろ いろ残されています。そのため、一般に売り出されるにはまだ時間がかかるとい うことでありますが、大いに楽しみであります。  ガソリンで走る車が過去のものとなるのも、そう遠い未来のことではないのか もしれません。