「中心線復帰の原則」について


 速記文字を書く場合には、同じ「速記文字」でも、いろいろな書き方があります。

1.中心線を決めて、速記文字の書き出しの部分を中心線から書く方法
(国字式、山根式)。

2.速記文字の真ん中を中心線に書く方法(中根式、早稲田式)。

3.中心線に関係なく次の速記文字の終わりを中心線と仮定して書く方法です。
 この書き方は、どこかの大学の速記研究会で行っていた書き方です。もう20年以上
も前のことですが、知人のKさんに教えてもらいました。欠点としては、速記文字が
右下に下がっていき、1ページの行数が少なくなるということです。

「1.」の書き方は、中根式、早稲田式を使用している人にとっては、抵抗感がある
書き方です。国字式、山根式では、基礎の段階からこの書き方を練習します。最初は
原文帳に罫線を引いて練習をするそうです。なぜ、この書き方に固執をするのかわか
りません……。 

 我が国というのは、有史以来、農業を中心に国づくりをしてきました。
すなわち、農業こそがこの国の根幹でありまして、基本であるということでございます。
 農業に関する限りは、生産者と消費者を比較するのは適当ではありません。
生産者と消費者という言葉自体がもう既にマーケットの言葉でありまして、農業というのは
経済の一分野ではないのだと思うのであります。
                       (平成14年度高速度競技会空読みより)
 

 一般的な書き方は「2.」の書き方です。中根式では「中心線復帰の原則」とも言
いますが、「中根式速記法原理 符号編 6ページ 3.配置原則 1)中心線の設
定」をご覧ください。

 「3.」の書き方では下記のようになります。
 同じ速記文字を使用しても書き方によってはイメージが違うと思います。
 こういう観点から、別な意味で「速記文字の鑑賞」ができると思います。
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