速記方式問題レベル2 (1)
この速記方式問題は「道楽段階」における中級以上に設定をしている。
ある速記方式の文例である。反訳文をつけているので、何式かを探してみよう。
ヒントは昭和35年に書かれた速記文字である。
制限時間は30分である。
第1問
〔1行目〕
お答え申し上げます。放送法の改正につきまして考えております点を数点申し上げてみたいと存じます。
この点につきましては政府といたしましてもまだ調査を完了いたしておりませんので、今後またいろいろ
ご検討もいただきまして、万全を
〔2行目〕
期していきたいと存じておりますが、そのうちの一点は、放送協会が日本の放送事業の進歩発達を期するために、
部外に対して助成あるいは研究の委託、そういうことが従来できない形に
〔3行目〕
なっておりましたので、そういうことが政府の許可を得て放送協会ができるような形にしていく、
それによりまして日本の放送全体の健全なる進歩発達を期するような道を開きたい。
第2問
〔1行目〕
現在の専門速記者の地位というものは、3〜4年間それ以上の大変な
〔2行目〕
訓練の上にさらに10年から15年の実務経験によって築かれているとされて
〔3行目〕
きました。しかしこれからの世代の速記者は経験年数のかさということよりも広く深い新しい
〔4行目〕
知識、大学卒程度の新しい見識をぜひ持ってもらいたいものです。
第3問
〔1行目〕
国会の審議権の確保のための秩序保持に関する法律案につきまして、私は、提案者を代表いたしまして、
提案趣旨についての説明を行わんとするものであります。去る11月27日に
〔2行目〕
日米安全保障条約改定交渉の打ち切りを要求する集団示威運動が行われた際に、集団陳情に名を借りた1万
〔3行目〕
数千名の暴徒が国会構内に乱入し、神聖なる議事堂を蹂躙いたしました我が国憲政空前の
〔4行目〕
不祥事態の発生を契機といたしまして、再びかくのごとき不祥事件の発生を繰り返さないために、
加藤衆議院議長は、さきに、議院運営委員会理事会におきまして
〔5行目〕
おおむね本案同様の試案を提示されたのであります。私たちといたしましては、立憲政治擁護のために、
与党と野党との政争を越えた立場から……
正 解
第1問〔国字式〕
第2問〔田鎖76年式〕
第3問〔石村式〕