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 例題の説明(2図)






 これまでの方法では、この加点インツクキ法は普通のインツクキ法に及ばない ようでありますが、これをいかに生かしていくかというのであります。

 漢字が2字あって、そうして音読して4音になるものがたくさんあります。例 えば「簡単……カンタン、帝国……テイコク、問題……モンダイ」などを始めと して相当たくさんあります。「私……ワタクシ」は4音でありますが、漢字は1 字でしかも訓読してあり、また「横浜……ヨコハマ」は漢字2字で、4音ありま すが、これも訓読して4音になっているので、こんな種類のものではないのであ ります。必ず漢字は2字で音読して4音になるもので「国際……コクサイ、連盟 ……レンメイ、改正……カイセイ、生活……セイカツ、問題……モンダイ」とい うようなものでありますが、これらのものは第2音目と第4音目とが必ずインツ クキによっているという特色を持っているのであります。

 そこで今応用しようという方法は、この第4音目にくるインツクキの加点符号 を省略しようというのであります。

 例えば「簡単……カンタン」という場合に前回までの書き方であったら、これ は「ン」の加点符号すなわち小点を2個打たなければならぬのでありますが、第 4音目にくる最後の「ン」の符号を省略するのであります。ただし単に省略して しまっただけでは、ここに挙げてある例第2図(1)のとおり「カンタ」となっ て第4音目を省略したことがわからないのであります。そこで第4番目にくる符 号を省略してあるぞという目標を示すために、第2音目の符号を中央結び目のと ころへ移動してつけるようにするのであります。すなわち加点インツクキの符号 は前に説明しておきましたとおり文字の右または下、すなわち負側という方の中 部につけたのでありますが、もし文字と文字との結び目のところに符号がつけて あったならば、それは漢字が2字からできていて、音数は4音から成っており、 その第4音目、すなわち最後の符号が省略してあるということを示すのでありま す。ただし省略された第4音は何の字であるかわからないが、ただインツチクキ の6字の中のいずれかであるというのであります。それで結局次のとおりになり ます。


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