それからこういう書き方を応用する場合にはこれを逆に書いてよいのでありま
す。すなわち第1音の基本文字を先に書かないで、まず加点インツクキの符号を
先に書いてから基本文字を書いてよいのであります。例えば、このセイカツの場
合でしたら、まずツの加点インツクキの符号を書き添えるのであります。例題
「2」の最後のケイザイなどでも、まず第一に加点インツクキのイの符号を書い
てから後は基本文字のケの字を書くといったような書き方でありまして、全く順
序を無視した書き方をしてもよいのであります。大体、この加点インツクキを応
用する場合には講演などを聞いているときにまれに出てくる言葉をその場で応用
して書き取るよりも、平素よく使いなれた言葉をあらかじめ、この加点インツク
キ法を用いて簡単に書くことに定めておいた方がよいのでありまして、自然文字
の形にも見なれてくるわけでありますし、文字を書く順序などに拘泥せずして書
いていくわけでありまして、これを応用するものの中には大分この逆の書き方を
していくものがあります。それから単にセイカツならセイカツだけでなく、セイ
シツとか、セイケツとか、その他数個の場合にこれを応用するなら応用すると平
素から前もって定めておかれるのがよいと思います。
ついでに例題の残りを説明しておきます。例題「3」の第4問……クこれは国 会議事録などでは「カイセイ(改正)」ぐらいと思いますが、カイケイ(会計) などにも応用してよいと思います。ただし、これはカイカイ(開会)、カイサイ (開催)というように同じような、どちらにしても意味がとおるようにも読める ので、こんなものは、どちらか一方だけに応用することにして、他は普通のイン ツクキを用うるがよいと思います。 加点インツクキについては大体の書き方は既にご了解になったことと思います から、一応終わることにいたします。 |