「速記体系」はどうなっているの?

 速記の体系のことを「速記法」と言いますが、この速記法の構成は、大きく2 つに分かれます。つまり、「基本文字」という体系と「省略法」という大きな2 つの体系によって速記法が構成されています。

 「基本文字」というのは、「日本語を速記文字で書きあらわしていくために最 低限必要な速記文字のこと」です。具体的には、ア、イ、ウ、エ、オといった50 音の速記文字を初め70余りの速記文字になりますが、これを覚えてすらすら書け るようになれば、普通文字の5〜6倍のスピードで記録していけるようになりま す。

 ただ、人の話すスピードというのは普通文字の10倍のスピードということです から、基本文字だけでは人の話の半分しか記録できないということになります。 もちろん、要点を記録するような場合でしたら、これだけのスピードがあればも う十分ですが、人の話をすべて書き取ろうとしたとき、もっと簡単な文字が必要 になります。

 そこで、基本文字をベースとして、それに一定の法則を適用してさらに簡単な 形にしてしまう体系が「省略法」と呼ばれるものです。大ざっぱに言って10ほど の省略法則があるのですが、その法則を基本文字に適用するだけで、基本文字で 書いたときの半分以下に線の数が減ってしまいます。「省略法」などと言うと何 か難しいような気がしますが、決して難しいものではありません。楽しみながら 覚えていけます。

 「基本文字」だけでも日常生活では非常に重宝しますし、「基本文字」を覚え ただけでも、速記検定試験の6級、5級のスピードで書けるようになります。


 「皆さんにお話をいたします」と基本文字で書けば次のようになります。



 省略法を用いて、「皆さんにお話をいたします」と書けば次のようになります。

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