紀州速記研究所(紀速研)の紹介
 
 紀州速記研究所機関誌「北斗」を第1号(平成10年5月15日)から第12号(平成13年1月15日)まで発行しております。
 
 紀州速記研究所は、和歌山県議会事務局速記室に勤務する4人の速記者により、 次の3綱領を掲げて速記活動を行っているグループです。


  1. 速記方式を問わず、広く速記の普及啓発活動を行う。
  2. 速記教育・速記学習のために必要な各種教材の作成・頒布、また実地教育を行う。
  3. 頒布その他による収入は、すべて上記の速記活動に還元する。

 和歌山では、社団法人日本速記協会和歌山支部と和歌山速記士会といった2つの団体があって、 この両者は不即不離の関係を保ちながら和歌山地域における速記活動を行っています。また、和歌山速記士会の付属団体として和歌山速記士会共練会といった組織もあって、 「1日速記無料講習会」を毎日行ったり、毎週、共同学習会を開催したり、速記検定試験開催月には模擬検定の講習会を開催するなどの活動を続けています。

 そして、紀州速記研究所は、教材を作成したりしてそれらの速記活動に側面的な援助を行うことを目的として 平成4年につくられました。和歌山支部・和歌山速記士会は和歌山に限定しての地域団体ですが、紀州速記研究所は一地域にとらわれないで、 全国の速記学習者、速記指導者、その他の速記愛好者を対象として活動していました。平成5年から平成6年にかけて紀州の速記誕生百年を祝って行われた 「紀速百年祭」においても、記念事業の一環として紀州速記研究所から多くの教材を作成し、全国の速記人に頒布を行いました。

出典:紀州速記研究所機関誌「北斗」第1号


 「北斗」創刊号掲載の「創刊に当たって」を紹介いたします。

 今回、速記学習誌「北斗」を発行するに当たって、簡単にその発行目的等を述べておきます。
 
 速記学習者は昔に比べると随分少なくなったと言われておりますが、 それでも全国にはたくさんの学習者が一生懸命に速記を学んでいます。速記学校で学ばれる方は先生の指導に従っていけばいいのですが、 通信教育で学んでいる人、本を買って独習されている人などは、なかなか思うように学習が進んでいないのではないかと思います。 また、速記教育に携わっている人は、速記教育論といった普遍的な体系確立が速記界の中にでき上がっていませんから、 自分の持っている知識と経験のみを頼りにいろいろと判断し、悩みながら指導に当たっていかなければなりません。
 
 速記界では、最大部数を誇る社団法人日本速記協会発行の「日本の速記」を初め、 各速記団体において機関誌的なものはいろいろと出されています。しかし、学習者用、指導者用の速記誌はほとんどどこからも出されていないのが実情です。
 
 そこで、速記学習者、速記指導者、さらには速記実務者、その他、 速記の好きなすべての方たちに刺激となり役立つようなものを提供できないかと考えて、今回「北斗」発刊の運びとなりました。
 
 当面はやむを得ずYが原稿の大半を担当する形になろうかと思いますが、 号を追うごとに紀速研のほかのメンバーに原稿をお願いする形にしていきたいと思っていますし、それぞれの人にもその旨お願いしています。 できれば、本誌購読者、その他の速記関係者からの投稿も徐々に掲載していけるようになればと願っています。
 なお、複数の人がいろいろな形での原稿を掲載していただけるようになれば、 内容的に重複する部分が出たり、見解がばらけたり対立したりといったようなことも出てこようかと思いますが、 それはそれでそれぞれの方の個性として尊重していきたいと考えていますので、その点、あらかじめご了解をいただいておきたいと思います。

 ただ、発刊に当たってお断りしておきたいと思いますが、 和歌山では西暦2000年(平成12年)に和歌山速記士会創立50周年という記念すべき年を迎えます。 この年には和歌山速記界の総力を結集してさまざまな記念行事に当たっていかなければなりません。 本誌「北斗」も、その段階で改めて発行形態等も含め、新しい和歌山速記界の方向に合わせた、 あるいは新しい日本速記界の方向に合わせた吟味・検討を行わなければならないことになるだろうと思います。 このときの検討は、紀速研の他のメンバー3人が中心となって行うことになります。 ですから、これからの2〜3年は基本的に本・創刊号のような体裁でYが主として原稿を担当して発行していきますが、 それ以降はその段階におけるメンバーの人たちで検討結果によって新たに決められていくということでお考えいただき、 またあらかじめご了解を賜っておきたいと思います。
 
 本誌発行に当たっては、その原稿作成だけでなく、購読者の状況管理、 会計面での処理、原稿コピーの外注、発送業務等、大変な作業が必要になります。4人のメンバーがそれぞれに役割分担を図りながら、 できるだけ頑張っていきますので、よろしくご支援をお願い申し上げます。本誌によって、購読された方々の速記ライフが多少なりとも豊になり、 役立つことを願いながら、紀速研を代表する形で創刊に当たってのあいさつとします。
 平成10年5月
紀州速記研究所 代表 K.Y
出典:紀州速記研究所機関誌「北斗」第1号
 
〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 
「北斗」の休刊に当たって
 創刊時にお約束していたように、速記学習誌「北斗」はこの第12号をもって休刊となります。
(中略)
 また、「北斗」の発行母体であった紀州速記研究所は、 今まで何回かにわたって何十種にも及ぶ速記教材を作成してきましたが、今回の「北斗」休刊に伴い、 またいつの日にかその名前が復活する可能性を残しながら、休眠・凍結状態に入ります。
(後略)
  平成13年1月15日


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