田鎖式系統

私の個人的、主観的な所感をあえて書き述べる ・・・・・ このモリタ式も含め た田鎖式系統の速記符号についてである ・・・・・ ある意味、日本語のリズム というか日本語の何か (!?) に最も合致していて、しっくりとくる、意味を 持った言葉の一つ一つを確実に書きとめているという安心感がある、安定感のよ うなものがある、ローマ字でなくて漢字仮名まじり文で日本語を書いていくよう な融和感がある ・・・・・ そんな速記符号が伝統的な田鎖式系統の速記符号で はないかと私は感じている。



 モリタ式速記法

「モリタ式速記法」 と一般的に呼ばれてもいるが、本来は戦前の 「衆議院式」 なのである。

当時の衆議院速記者養成所教官であった 「森田章三氏」 が、少しでも速く書け るようにと、速記文字の基礎段階から画数、線量を減らす試みを行なったもので ある。

日本速記協会の月刊誌 「日本の速記」 でも、今年2012年の4月号から9月号にか けて 「森田章三とモリタ式」 と題して私が書いた記事を取り扱っていただいた が、国会の議事録を作成するための前段階、第一段階としての 「手書き速記に よる全発言の書きとめ」 という真剣勝負の舞台を想定し、責任を持てる速記符 号を開発し、それを実際に教授して一人前の速記者を養成していくという、当時 の状況下での急先鋒におられた方が 「森田章三氏」 であった。

当時における著名な速記教育機関 「佃速記塾」 の佃与次郎氏の門下であった森 田章三氏は、佃式速記法 (=田鎖式系) を学び、議会速記、新聞速記等々、 数々の現場で実務をこなす中、衆議院速記者の採用試験を首位で合格して衆議院 速記者としての実務を経験するとともに、後年、衆議院速記者養成所の教官とな る。