基本線について
昭和6年12月5日発行の森卓明著「超中根式速記法」に「基本線」について下記 のように書かれている。(現代表記に改めた) A図は原始中根式の基本線で、これはピツトマン式とほぼ同じで、ただ直線の中 ピットマン式は点線のような45度の線を採用しているのにこれを60度線に変更さ れているだけである。これは直線5線、曲線8線の13線であるが、曲線のうちロ の→印の付してある線は上行、下行両様に書かれる、ゆえに実際は15線となるわ けである。 B図は米国クロス式の基本線である。A図のロの上行下行両様に書かれる線はこ の式ではイ30度、ロ60度と2つに分けてあるから、この線は上行下行両様に書か れると説明する必要がない。なお垂直線が廃されニの30度ホの60度すなわち右下 への線が2つ取られているが、ホは当然垂直線にかわるものであろう。 私は初めてクロス式を研究しこの基本線でイロの2つに分かれていることに感心 した。その結果ピットマン式の基本線図を廃してC図のような図形を制定した、 その場合ニの線はやはり45度位であった。 これを中根正世氏に話したら大いに賛成され、なお右下の線は60度ないし45度よ り30度の方が書きよいというのでD図のような幾何図形を新に制定してこれをも って中根式の基本線と決定され今日に至ったのである。
森卓明の「基本線」についての反論として、中根正世が中根速記協会・機関誌 「速記」に「基本線について」4回にわたって書かれている。 「基本線について(1)」「速記」第25号・昭和7年8月号 「基本線について(2)」「速記」第26号・昭和7年9月号 「基本線について(3)」「速記」第27号・昭和7年10月号 「基本線について(4)」「速記」第28号・昭和7年11月号 ※ この続きは、「中根式速記法教範 資料編2」をご覧ください。
中根式速記法教範 資料編2 nakaneshiki_kyouhan_2.pdf (3042KB)
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