逆記符号の省略
兵庫県支部長 稲垣正興
中根速記協会機関誌:中根式速記(昭和27年2月号)より

 逆記符号というのは、言うまでもなく長拗音の大カギ、インツクキ法の各符号等の ことをいうわけであるが、元来こういう符号のできた過程を見ると、始めは全然符号 なしで書いており、それに満足せず、円やカギその他の符号がついてより簡略になる わけであるが、今度はそのつけた符号を何とか書かないでもわかるような、書き方を しようと努める。それに成功すればまた符号をつけてより早く書こうとする。

 こういう堂々めぐりのようなことをしているわけである。その間の基礎になる文字(符号以 外のもの)の変化等によって4音1線とか、6音1線という書き方も生まれてくるわ けであるが、現在ついている長拗音インツクキ法の符号をとる方法を少し考えてみた いと思う。

 前に最小線の考え方で述べたように、漢音で第2音にイのつくのはア列、ウ列の一 部、エ列だけである。そこでこれらの組み合わせでできた単語の簡略化はもっと容易 であり、ほかの符号を使った文字を組み合わせてつくった単語の簡略化の基礎にもな るので、これから述べてみたい。

 基本文字+イ+基本文字+イ
 書き方イの符号をつけずにそのまま続けてしまう。

 何だか危なかしいような気が最初はするかもしれないが、これで間違いは起こらな い。しかしそれでも不安ならばよく出てくる単語をあらかじめ、こしらえておいても よいわけである。


のように書けばよいわけで、曲線の連続の場合は、ザイセイのようにザセとほとんど 1線で書くことができ、非常にスムースに書けるが文字の乱れないよう特に線の方向 に十分注意してほしい。

※ この続きは、「中根式速記法教範 資料編3」をご覧ください。
中根式速記法教範 資料編3 nakaneshiki_kyouhan_3.pdf (1894KB)
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