往時の海外にあっても同様、例えばピットマン式系統のグラハム式のテキストを見ても、まとめあげ方といい、 書かれた符号の美しさといい、それを書いた者の集中力を感じさせられる点といい、正解を導き出すパターンを踏んでいる感じがするのだ。

 田鎖綱紀しかり、若林玵蔵しかり、林茂淳しかりで、正解を導き出すだけの努力、研鑚を地で行くような彼らではなかったか。

 そしてすべてを支えるところの精神性、感性といった点にあっても、しっかりとした背景を携えていた彼らではなかったか。


↑ 「経国美談」
若林玵蔵が書いた速記符号



↑ 「怪談牡丹灯籠」
若林玵蔵が書いた速記符号
(「経国美談」のものとは多少符号が改変されている)



↑ “ Graham system shorthand simplified
( by GEORGE A.JONES, 1900 ) ” より



↑ “ Graham system shorthand simplified
( by GEORGE A.JONES, 1900 ) ” より
( 了 )

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