『 速記技能検定試験問題 』 第160回 4級より
文章中、太字部分の最後の文字が30秒ごとの朗読分量を示しています。
【 問題文 】 まず初めに、年金についてお話をします。 このごろ、テレビなどを見ていますと、年金の問題がよく取り上げられています。それだけ国民の関心が高いということがわかるのであります。 私は、なぜこんなに注目されているのかということについて考えました。そこで気がついたのは、年金が将来どうなるのだろうかという不安を持つ人が多いことであります。これは、若い人ほどそういう不安が大きいように思います。 年金というのは、若い世代がお金を出してお年寄りの生活を支える制度であります。ところが、高齢化が進んでまいりまして、そのようなやり方では難しくなってきているわけであります。さらに、若い人たちは、自分が払った分よりも将来もらう方が少ないのではないかと心配しています。それならば、貯金をした方がいいと考える人さえいるのであります。 私も今は支える側の立場であります。やはり自分が得をするのか損をするのかということを考えます。しかしながら、先ほど言いましたような助け合いという面があることも頭にいれながら、年金の将来につきましてもっと真剣に考えていかなければならないと思うのであります。 それでは次に、歯の健康についてお話をします。 年をとっても自分の歯で食事を楽しみたいという希望は、だれもが持っていると思います。 ある本によりますと、物をかむときには、自分の体重と同じくらいの力がかかることもあるそうであります。それほど歯は丈夫なわけであります。ところが、一本でもなくなりますと、その力はたちまち弱くなるということであります。 そうなりますと、まず、かたいものが食べられなくなります。したがって、食事の内容が偏ったものになっていきます。また、よくかまずに飲み込むようになりますから、胃腸に大きな負担がかかります。そうすると、栄養を十分に吸収できなくなるのであります。そういうことがいろいろ重なってまいりますと、結果として、体全体の調子が悪くなるということにもなるわけであります。 そのようなことを考えますと、歯というのは、健康に暮らしていく上で最も大切なものの一つだと言えると思います。 人間の歯は、何度も生えかわるわけではありません。ですから、自分の歯を失わないためには、手入れをしっかりすることと、定期的に歯医者に行くことがとても大事だと思うのであります。 (了)
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