『 速記技能検定試験問題 』 第200回 3級より
文章中、太字部分の最後の文字が30秒ごとの朗読分量を示しています。
【 問題文 】 それでは、最初のお話をします。 もうすぐ夏になります。夏になりますと、海や山に出かけるという人が多くなります。特に最近では、登山がブームになっています。とりわけ、山ガールと言われるような若い女性に人気のようであります。さらにまた、中高年の人たちもふえているというふうに言われています。 大自然の中で過ごすということは、とても気持ちのよいものであります。美しい環境の中でリフレッシュすることができます。しかし、気をつけなければならないことがあります。それは、自然を相手にしているということであります。 自然というのは、穏やかなときは人に優しいものでありますが、時として牙をむきます。甘く見ているととんでもないことになります。 もともと、山の天候は変わりやすいというふうに言われています。晴れていたのに、突然雨になったりします。特に、標高が高いところでは、急激に気温が下がるということもあります。体力を奪われて動けなくなったというような話もよく耳にします。 現在は、登山の道具もかなり充実しているようであります。軽くて丈夫で、なおかつ機能性にすぐれているというものがそろっています。しかし、最後に頼れるのは自分自身であります。そのためにも、ふだんから体調管理をしっかりとすることであります。万全な準備をするということであります。 そして、絶対に無理をしないということであります。せっかく来たのだからといって無理をしますと、後で大変なことになります。そういうときには引き返すという判断も大切なのであります。 それでは、次のお話をします。 最近、字を書くということが少なくなったように思います。自分のことでいいますと、字がうまくないということもありますが、面倒くさいという思いが強いようであります。 ところが、うっかり忘れるということが多くなりまして、メモをとるようにしました。そうしますと、仮名はすぐ書けますが、漢字がなかなか出てきません。書けたとして、バランスの悪い字になってしまいます。友人に聞きますと、みんな同じような思いをしているそうであります。ふだんは余り考えたことはありませんが、字を忘れているということにちょっとショックを受けました。 子供のころを考えますと、字をかくことは嫌いではなかったように思います。漢字で自分の名前が書けるようになったときには、とてもうれしかったことを覚えています。作文もどちらかというと好きなほうでありました。学生のころは熱心にノートをとっていました。 しかし、大人になるにつれて、だんだんと字を書く機会が減ってきたように思います。仕事でも、手書きで報告書をつくるということはほとんどありません。そういうことから、覚えていたはずの漢字が書けなくなったのではないかと思います。 脳を活性化するためには、体を動かすことがよいというふうに言われています。その中でも、指先を動かすとより効果が上がるようであります。文字を書くというのは、その意味でもうってつけであります。手軽にできることでありますから、皆さんも意識的に書くということを行ってみてはどうでしょうか。(了)
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