田鎖式ア列とインド系文字のア列


 インド系の文字は、子音の文字に原則「あ」が含まれている。「ベンガル語やタイ語では、(あ)でなく、(あ)と(お)の中間の音である。詳細に言うとどちらが(あ)に近いかはわからない。」 
 サンスクリット語では発音されていたようだが、現行のヒンディー語では実際には、「あ」を発音しないケースがかなりある。
ヒンディー語では、語頭は発音するが語尾は発音しない。語中はいろいろなケースがある。

田鎖式や田鎖系の速記符号も同様に子音符号に「あ」が含まれている。
 
インド系文字のア行と他の行の関係は様々のパターンがある。

ヒンディー語では

  あ  い   う  え  お
hindi   अ  इ  उ ए   ओ
alphabet   A


     こ
hindi  कि  कु  के को 
alphabet  KA  KI  KU  KE  KO 

IUEとKIKUKEの関係が全くない。IUEは完全に独立した形を持っている。子音につく母音は独立したIUEと全然違う形になっている。

 しかしチベット文字のようにア行と他の行も同じようになっている場合もある。

ཨི ཨུ ཨེ ཨོ
ཀི ཀུ ཀེ ཀོ

「あいうえお」
「かきくけこ」
と並べてある。 

 田鎖綱紀がなぜ「ア列」に母音符号(サイン)を添付させなかったのか、田鎖綱紀(源綱紀)の本の読み方が足りないか出ていないのか私にはよくわからない。単純に順番が最初だからか、日本語に「ア列」の頻出度が多いからか、あるいは梵字などを見てインド系の文字を知っていたかはわからない。
 明治時代の森本大八郎の方式では「ウ列」に母音符号(サイン)をつけていない。
 一列だけ母音符号(サイン)をつけない複画式では、「ア列」に母音符号をつけない方式が多い。森本大八郎の方式の系統とグレッグ式の系統のいくつかが「ウ列」に母音符号(サイン)をつけない。違う列だけに母音符号(サイン)をつけない方式は非常に少ない。

 

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