朗読音声  「星座の話」第149回 速記技能検定試験問題より

 星座というものが考えられたのは、今から五千年ほど昔のことだったと言われています。 そのころの人たちは、夜空を見上げて、星の並び方を動物などのいろいろな形に当てはめていきました。 そして、その形をもとにしまして、いろいろなお話をつくっていったのであります。

 その後、こうした星座の形でありますとか、それにまつわる物語というものが、だんだんとギリシャとかローマといった国へ伝わっていったというふうに言われています。 それらの国々では、もともと神様についての話がありましたが、そうしたものと結びつきまして、新たな神話や伝説が生まれていったわけであります。 私たちの国にも、天の川でありますとか七夕といったようなお話があります。 それらの物語は現代にも語り継がれているのであります。

 また、星座は占いにも使われるようになりました。それは、星の動きが地上のあらゆることに影響を与えていると考える人たちが出てきたからであります。 初めのころは、国家の運命などについて占っていましたが、だんだん人の運勢についても占うようになっていったと言われています。それが星座占いの始まりだったということであります。

 星座は、北半球におきましては、北極星を中心にして左回りに動いています。 そして、季節や時刻によって見える位置も違ってきます。 そこで、その見え方の違いを利用して農作業を行う時期を決めていたということも伝えられています。 これは、時間を知る手段として使われていたという一つの例であります。

 それから、広い海を航海するときには、太陽と星は方角を知る上で大切な目印になります。 それらを頼りにして、人々は遠くの方まで出かけていきました。 そして、知らない土地にたどり着いたときに、今まで見えなかった新しい星座を発見するということもあったのであります。

 星座は、さまざまな時代、さまざまな国でいろいろ考えられたのでありますが、近代になって、それが世界的に統一されるようになりました。 今では、国際的な協定によりまして、八十八の星座が認められています。

 夏のこの時期は、天の川が一番きれいに見えるときであります。 これまでの人々と星座との関係を思いながら、ゆっくり空を見上げて星を眺めてみるのも楽しいのではないでしょうか。

(了)



筆記者 deme7氏(当該方式創案者の平野明人さんです)




平野式速記 ごく初歩の書き方で

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