朗読音声  「追分」について

 皆さんは「追分」という言葉を御存じでしょうか。
 国語辞典などを引きますと、
「道が左右に分かれる所」などというふうに書かれています。
実は、私の住んでいる家の近くにも、この追分があります。
そこは旧東海道と八王子道が分岐している場所であり、ここが追分であるということを説明した碑が建てられています。

 その昔、多くの人々は、自らの足のみによって旅をしていました。親子、兄弟、友人、恋人、事情によってはそれぞれが別々の旅路を行かなければならないこともあったのではないでしょうか。
そうした、分岐となる地点が追分でありました。いわば、人々の出会いと別れの場所でもあったわけであります。
皆さんの中も、「リンゴ追分」や「江差追分」といった歌を御存じの方もおられることと思います。
全国各地に残る追分は、人の営みの記憶を、今もなお、時に色濃く、あるいは淡く滲んで私たちの心に生き続けています。(了)

碑文と速記文例入り画像



筆記者 deme7氏(当該方式創案者の平野明人さんです)

「追分」について 速記符号原文 008.pdf(1,498Kb)
「追分」について 008.mp3(1,940Kb)