朗読音声 「辞書に関する話」 第149回 速記技能検定試験問題より 次に、皆さんが日ごろ使っている辞書についてお話をしたいと思います。 辞書というのは、御存じのとおり、言葉を一定の順序に並べまして、その読み方や意味などを解説したものであります。 それにはいろいろな種類があります。 日本語はもちろんでありますが、外国語を理解するためのものや、漢字を調べるためのもの、また専門分野の言葉を集めたものがあります。 言葉は常に変化していくものでありますから、社会の動きに合わせて意味や使い方が変わっていきます。 それに対応しなければなりませんから、辞書をつくる側の苦労は大変であります。 言葉や文字の説明に間違いがあってはいけませんので、意味でありますとか用法などを慎重に選んで編集されています。 だからこそ、利用する側にとっては、わからない言葉に当たったときにとても頼りになる存在なのであります。 では、どんな辞書が使いやすいのでしょうか。 やはり言葉の数は多い方がいいと思います。 用例も充実していると助かります。 説明も詳しいものがいいと思いますが、簡単にまとめてある方が便利なときもあります。 また、言葉のもともとの由来が書いてありますと、より一層参考になります。 そして、文字が大きくはっきりしていると、見つけたい言葉にすぐにたどり着けますから、引きやすいと思うわけであります。 以前は、国語辞典というものは各家庭に必ずあったものであります。 今は、置いていない家もありますし、持っていてもほとんど使っていないという家もあるのではないでしょうか。 それに、最近の学生は、わからない言葉があっても調べなくなったと聞きます。 面倒だからというのがその理由だそうでありますが、子供のころから辞書を引く習慣がついていれば、そのようなことは感じないと思います。 ところで、辞書は読み物としても大変すぐれています。 辞書にはさまざまな言葉や事柄がたくさん詰まっていますから、今まで自分が知らなかったことを学習することができるわけであります。 そして、関連する項目を調べていくうちに、興味が広がりまして、知識もどんどんふえていくのは楽しいことであります。 このようなことから、無人島に本を一冊持っていくとしたら何を持っていくかと聞かれて、辞書を持っていくと答えた人もいるほどなのであります。 また、近ごろは電子辞書の人気が高まっています。 厚い本は持ち歩くのに不便でありますが、これなら手帳のような大きさでも膨大な量のデータが詰まっていますから、とても便利だということであります。 調べるときも、文字の一部分を入れるだけで機会が探し出してくれます。 そのような便利さも人気の理由の一つでありましょう。 このように、辞書といっても、最近はいろいろな種類のものがあるわけであります。 その中から、自分に必要だと思うものをよく選んで、うまく使いこなしていきたいものであります。(了)
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