2005/02/20 (Sun) 速記方式管理委員会
 昭和28年の「中根速記協会会則」には、
 第19条 本会は速記方式管理委員会をはじめ、必要に応じ、その他の委員会を置くことができる。
と書かれております。この「速記方式管理委員会」を実際に開いたか確認しておりません。いつの間にかうやむやになってしまったようです。
 
 昭和44年12月1日施行の「中根式速記協会会則」には、
 第19条 本会は必要に応じ各種の委員会を設けることができる。
と書かれております。
 
 「方式管理委員会」の趣旨について掲載されておりませんが、非常に興味があります。
 
 中根速記協会機関誌「中根式速記」昭和27年5月号(復刊第35号)には、
 
「地方における 速記指導について」
中根速記協会
(前略)
 今まで、地方においての指導に当たって、本部に指導用の出版物が出ていることを知らずに、基本文字をプリントしたり、または指導者がまちまちな教材を作成し、配付しているところもあるやに聞き及んでおりますが、これらは本部の承認なしにやられますと、いろいろな問題や弊害が起こりますので、この際地方の指導者は一応本部と連絡をとっていただきたいと思います。
(中略)
 地方で中根式を指導される場合は、以上の3著を選択御使用願いたく、しかして、全国統一ある中根式の指導、普及を本部としては願うものであります。
(後略)
と書かれております。
 以上の3著は、
 中根正世著 速記入門
 中根正世著 速記読本
 中根正世著 中根式速記
ですが、速記読本は昭和9年7月28日に初版が発行されて、昭和15年3月1日の改訂25版まで現物で確認しております。昭和27年5月の時点で再版中です。
 速記入門は、昭和40年版を現物で確認しております。
 中根式速記は、昭和27年4月に発行されております。
 
 
2005/02/19 (Sat) 拾い読み 研究発表を待望す
 中根速記協会機関誌「中根式速記」昭和24年6月号(復刊第3号)に中根速記協会本部長の池田正一先生が、「研究発表を待望す」という原稿を書かれております。
 
 式のいかんを問わず、速記を研究する人が著書なり、指導者について一応そのシステムを修得し、大体ラジオのニュースがどうやらこうやら書ける程度に上達すると、ほとんど全ての人々が実務速記に携わってやがて専門速記者への途をたどり、その中にほんの少数の人々がさらに進んで高次の研究へと志していく。
 この行き方の相違によって研究の方向が自ら違ってくる。前者は専ら基本文字、あるいは基本システムはそのままにした書き方の工夫、改善へと比較的安易な方向を選び、後者は基本文字、あるいは基本システムまでさかのぼって理論的改変の方向へと進んでいくようである。
 もちろん実務速記の体験をへて、後者の行き方をとるもの、あるいはまたそれとは逆に前者のコースをとるものもあるが、これは極めて少数のようである。
 何ゆえならば1つの方式で一応実務速記を通じて専門速記者の領域まで入った者が、せっかく長い学習、練習期間を経て熟達したその技術をよって理論的に基本文字、あるいは基本システムを全面的に改変するには、それを組み立てるまでに相当の時日を要するばかりではなく、さらに練習、修熟までに長年月を費やさなければならぬし、もし研究がどうやら大成したとしても、我が国斯界の現状では、これをもって1つの権威ある速記方式にまで発展せしめることは極めて至難の業であるからである。
 何となれば1方式として社会的信任を得るには出版、指導、普及、宣伝等々経済的にも、精神的にも到底凡庸のなし得ない莫大な負担でありあえてこれをしなければせっかく長年月を費やして大成した苦心の研究もただ徒に文献的存在に終わるという結果になるからである。
 しかしながら、斯道に携わってその恩恵に生きる者として、そのいずれの方向を選ぶにしても、ためにする野心的研究ではなく、大乗的見地から、後進者へのよりよき遺産として、ひいては我が国速記界の向上発展に寄与する意味において真摯な研究発表を切望してやまないものである。
 
と書かれております。
 当時の中根速記協会では、速記文字の研究を奨励しております。
 
余話
 私は中根速記学校の本科前期(4月から9月)に池田正一先生から速記法則の指導を受けましたが、授業中に、
 「よい速記文字があれば取り入れる。ただし法則に限る」
とおっしゃいましたが、本科生の我々には指導された速記法則を運用するだけで余裕がありませんでした。
 
 昭和24年から56年間の歳月が流れました。中根式はその後どのように発展してきたのでしょうか。
 
 
2005/02/16 (Wed) 国字式の自然円及び段位
 国字常弘著「国字式速記講座1〜3」国字常弘速記学塾 昭和8年9月23日発行には、
 
自然円
 目を閉じて、円を書く。その円は上方が右に傾いた楕円になる。これを自然円という。
註 本式文字の形は、この自然円を基礎としたもので、マ行以下の文字は自然円を中央から切ったものである。
 本式の構成は、目を閉じて書いてもできる円を基礎としておる点が一大特徴であり、絶対優秀の理はここにある。
 
 曲がった文字の形は、自然円の外形であるから、自然円の練習が文字練習になる。
(中略)
速記文字
形体 直線
   曲線 少し曲がったもの
      多く曲がったもの
長さ 短線 約4ミリ
   長線 約8ミリ
 
清 音 字――50音字、速記には、仮に44字を使用す。
濁 音 字――ガザダバ行20音(文字は力を入れて書く) 
半濁音字――パ14行5字(濁音は中曲字とする)
撥 音 字――(ン)字末に小円。
促 音 字――(ッ)字の間に空間(無形延長線上)2・3ミリをつくる。
長 音 字――字頭に2ミリの小カギをつける。
拗 音 字――カ キャ  キ キュウ  ク キュ  ケ キョウ  コ キョの構成の理に従って、字頭に4ミリの大カギをつける。
 
と書かれております。
 
 国字寿光著「国字速記講座」国字速記学塾編(昭和44年3月28日付け)
 
2字形
 イ.直字
 ロ.少曲字 左の3種より成立しておる。
 ハ.多曲字
3長さ
 短字10ミリ、長字20ミリの2種とする。
注1マ行以下の文字を書くには自然円の練習が最も効果がある。目を閉じて手を回すと上方が右に傾いた楕円ができる。これが自然円である。
 
と書かれております。昭和8年の方は「国字式」です。昭和44年の方は「寿光式」のテキストですが、基本文字は同じです。
 寿光式では、1つの速記文字に対して拗音、ラ行省略、撥音、長音を区別しております。
 天段=撥音、上段=拗音、中段=直音、下段=ラ行省略、地段=長音です。
 
第一字目の段位の決め方
字末段法
段位  場所      水平より  空間
天段  字末より高く  上30度   2・3ミリ
上段  字末と水平   水平    2・3ミリ
中段  字末に続ける  ――     ――
下段  字末より右下  下45度   2・3ミリ
地段  字末の直下   直下    2・3ミリ
 
と書かれております。
 昭和30年ごろの寿光式では国字式の書き方も残っていたようです。
 
2005/02/03 (Thu) 総合的な学習の時間
 八州学園大学教授・中央教育審議会生涯学習分科会臨時委員の浅井経子先生は、下記のように述べております。
 
「総合的な学習の時間」と学習ボランティア
 平成14年度から学校の教育課程が変わる。基礎・基本を重視するとともに、一方的に教え込むことになりがちであった教育から、自ら学び、自ら考える教育へと転換が図られることになっている。
 そのような教育を具体化する時間として「総合的な学習の時間」が本格的に始まる。この時間は、各学校が創意工夫しながら特色ある教育活動を展開する時間で、教科書はなく、各学校がその目標、内容、名称等を自由に決めることができる。一方で「開かれた学校づくり」が進められており「総合的な学習の時間」にあっても地域の協力が期待されている。
1.「総合的な学習の時間」のねらいと地域の協力
 (略)
2.学習プロセスと学習ボランティアによる支援
 (略)
3.学習ボランティアが協力する場合の留意点
 (略)
 
出典:生涯学習インストラクター機関紙(14号 平成13年9月1日発行/財団法人社会通信教育協会人材バンク委員会)
 
 各学校では「総合的な学習の時間」が行われておりますが、「速記」をテーマに取り上げている学校は非常に少ないようです。
 速記サイトを見ていると、小学生自身が自分でテーマを探して訪れております。
 速記界としても「総合的な学習の時間」に対応していくことも必要ですし、生涯学習時代における速記界の取り組みを思考すべきときです。
 特に公民館でサークル活動をする場合には「生涯学習」の知識は必要です。
 
 
2005/02/01 (Tue)  「生涯学習」と「生涯教育」との違い
 一般的には「生涯学習」と「生涯教育」は、同じように使用されておりますが、定義は違います。
 
 財団法人実務教育研究所が実施している「文部科学省認定社会通信教育 生涯学習指導者養成講座/生涯学習ボランティアコース」の参考書「生涯学習用語集」平成10年発行では下記のように定義されております。
 
「生涯教育」
 生涯にわたって人間的、社会的、職業的発達を図る教育の総称。今日言われる生涯教育は、従来の学校教育、社会教育、家庭教育などに新たに登場してきたそれ以外の教育機能を加えて、教育の再編成を行うべく提唱された。学校教育のような明確な対象を示す用語ではなく、さまざまな教育活動を統合するシステムとして主張されることが多い。統合には生涯にわたる垂直的(時間的)統合と、あらゆる学習機会の水平的(空間的)統合とが考えられている。
 生涯教育は、生涯にわたって国民の学習を管理する主張である。学校教育の生涯化を推し進める主張である。などという生涯教育論への批判もある。この批判を堅持しようとする立場から、生涯教育ではなく「生涯学習」を主張する場合もある。最近では生涯教育(lifelong education)とほぼ同じ意味で生涯学習(lifelong learning)を用いることが多い。厳密に両者を区別するならば、生涯にわたる自発的で自立的な学習が生涯学習であり、これを組織的に援助する教育が生涯教育ということになる。
→生涯学習
 
「生涯学習」
 生涯を通じて人間的、社会的、職業的発達のために行われる学習のことをいう。生涯学習と生涯教育はよく混同して使われるが、中央教育審議会答申『生涯教育について』(昭和56年)では、これらを次のように区別している。「今日、変化の激しい社会にあって、人々は、自己の充実・啓発や生活向上のため、適切かつ豊かな学習の機会を求めている。これらの学習は、各人が自発的意志に基づいて行うことを基本とするものであり、必要に応じ、自己に適した手段・方法は、之を自ら選んで、生涯を通じて行うものである。その意味では、これを生涯学習と呼ぶにふさわしい。この生涯学習のために、自ら学習する意欲と能力を養い、社会のさまざまな教育機能を相互の関連性を考慮しつつ総合的に整備・充実しようとするのが、生涯教育の考え方である」。なお、臨時教育審議会の答申では、学習者の観点に立って教育の見直しを行うということから、生涯教育という言葉が全て排され、生涯学習という言葉のみが使われた。
→生涯教育
 
 M.Mさん(国立教育政策研究所)は、「生涯学習インストラクター機関誌」15号(財団法人社会通信教育協会 人材バンク委員会編集 平成14年2月1日発行)で、「生涯学習と生涯学習社会」について下記のように述べられております。
 
 生涯学習とは、「@各人=国民一人一人が行う学習」であり、人から言われて行うのではなく、「A自発的意志に基づいて行う」ことを基本とし、「B自分が必要と思ったときに」「C自分に適した手段や方法を自分自身で選んで」「D生涯を通じて行う」学習であると言えます。
 生涯学習の領域や内容については、平成2年の中央教育審議会答申では、「生涯学習は、学校や社会の中で意図的、組織的な学習活動として行われるだけでなく、人々のスポーツ活動、文化活動、趣味、レクリエーション活動、ボランティア活動などの中でも行われるものであること」と述べています。
 生涯学習は、「@社会教育だけでなく、学校教育の中でも行われている」「A意図的・組織的な学習活動だけでなく、スポーツ・文化・趣味活動など個人や団体等の多種多様な学習活動の中で行われている」と言えます。
 これらの領域や内容は生涯学習インストラクターの皆様が学んでいる学習内容がそのものであり、認定制度がいかに生涯学習と関係深いものかがご理解いただけると思います。
 
と書かれております。
 
 再び「生涯学習用語」です。
 
「生涯学習関係施設」
 生涯学習を援助する施設の総称。公民館、図書館、博物館、生涯学習センター、文化会館、コミュニティセンター、スポーツ施設など。
→生涯学習機関
 
「生涯学習機関」
 生涯学習の機会を提供したり、推進したりする機関。例えば行政の教育機関、民間学習機関などを指していう。
 
「生涯学習指導者」
 生涯学習に関わる指導者の総称。社会教育主事、図書館司書、学芸員などの社会教育関係の専門職員、社会教育関係の指導員、学習相談員(学習アドバイザー)、生涯学習推進員、生涯学習奨励員、グループ・サークル・団体のリーダー、学級・講座などの講師・助言者、民間生涯教育関係機関の教育部門の担当者、学習ボランティアなど広範囲にわたる。
 
「学習の内容領域」
 生涯学習の内容は多岐にわたっている。このような学習内容を幾つかの領域にまとめたものを学習の内容領域と呼んでいる。学習内容を大領域に分けた例として、「職業に関する学習」「家庭・日常生活に関する学習」「芸術・芸能・趣味に関する学習」「体育・スポーツに関する学習」などがある。
→学習内容
 
出典:生涯学習用語集(財団法人実務教育研究所発行)
 
 「生涯学習」の領域は広いものです。我々が学習した「速記」は、生涯学習の中では一部分のものです。
 公民館のサークル活動は「生涯学習」活動です。
 公民館における「速記講座」「速記サークル」の指導者は「学習ボランティア」「特技ボランティア」「専門的指導者」に含まれます。
 
 
2005/01/17 (Mon) 拾い読み デジタルアーカイブ
 平成17年1月17日付北海道新聞夕刊の「文化欄」の“魚眼図”に「デジタルアーカイブ」というコラムが掲載されているのでご紹介します。
 
「デジタルアーカイブ」
 昨年十一月に函館でデジタルアーカイブの会議が開かれた。デジタルアーカイブとは最新の情報機器を用いて広い意味での文化資産をデジタル情報の形で記録し、それを広く一般に公開していくということである。
 具体的に言えば、古文書とか古い写真や映像などをスキャナーやデジタルカメラなどの機器でデジタル情報に変換する。もとのアナログ情報は時間がたつと劣化するが、デジタル情報は永久に劣化しないので、文化資産を保護することができる。それをインターネットにつながったコンピューターの中に置いておけば、世界中の誰でもその文化資産に接することができる。
 函館は歴史的に多くの文化資産を持っている(たとえば写真の日本発祥の地の一つなので、その種の資料がたくさんある)。また、観光地として多くの観光資産を持っている(たとえば夜景が有名)。それらの資産をデジタル情報の形にして、日本あるいは世界への情報発信に結びつけようととう趣旨の会議であった。
 デジタルアーカイブで重要なのはその情報の中身(コンテンツ)である。いかに魅力的なコンテンツを集めるかが成功するかどうかを左右する。函館だけではなく北海道は貴重な文化資源をたくさん有している。自然や食材や景色なども立派な文化資源である。それらの資源の中には世の中に知られていないものも多いだろう。
 観光や農業、漁業など北海道の産業を発展させるために(他の地域と差別化を図るために)、デジタルアーカイブによって北海道から情報発信を勧めていければいいと思う。
(松原 仁・はこだて未来大教授=人工知能)
(※用字例は原文のまま)
 
と掲載されております。当サイトでは「速記雑感」において、何度かPDFファイルについて取り上げております。
 管理人が言うよりも大学教授の方が説得力はあります。
 
 
2005/01/15 (Sat) 管理人の仕事
 私は「速記道楽」開設以来、全ページ印刷しておりますが、更新ごとに印刷してファイルに綴じております。
 現在、A4版の片面印刷で120ミリの厚さです。80ミリのファイルが2冊分になりました。
 
 「速記基本文字総覧」は、約15ミリの厚さです。ページ数に換算するとA4版で約180ページ(枚)です。
 1つの原稿としてはページ数もありますし、1冊分の資料に相当します。
 
 管理人として「速記道楽」を全ページ印刷しているのは、「管理人コーナー」「速記資料館」「速記法則の部屋」「速記文字文例集」「中根式速記法入門」「速記随想集」「中根式の質問箱」「管理人の速記雑感」「速記基本文字総覧」等、各部屋における、内容的にも量的にも偏りがないかを調査するためです。
 また、「速記雑感」では、原稿を重複して書かないようにしております。
 速記サイトですから、当然、速記文字の図版作成は基本的な作業になります。
 
 「速記基本文字総覧」のイラストは「畳」ではなく「御簾」です。
 
 
2005/01/13 (Thu) 「速記方式学資料」作成に至るまで
 田鎖源一著「速記の完全独習」池田書店(昭和34年11月20日 初版発行)という本があります。
 私は昭和41年に同書(昭和40年12月10日)の第12版を購入しました。
 私は既に早稲田式を学習しておりましたので、興味本位で田鎖式の本を購入しました。
 早稲田式以外の参考書として、初めて購入した本です。
 
 12〜15ページに「日本速記法の歴史」について書かれております。
(前略)
 その間、田鎖式以外の方式も、ガントレット式(明治32年)、熊崎式(明治39年)、中根式(大正3年)、毛利式(大正8年)、それに早稲田式、カナモジ式等々それぞれ独自の基礎をもった方式を軸として、その軸に沿って幾多の人々が改良、研究を重ねて、それぞれに○○式を名乗りました。今日では、名称だけ並べれば、タイプ速記式も加えて、70幾つが数えられると言われております。
(後略)
と書かれております。
 また、254ページに
 質問のある方は、下記に返信料を同封の上手紙でお出しください。折り返し、お答えします。
  東京都目黒区緑ヶ丘2379
    田鎖速記研究所
と書かれておりました。現在では地番変更になっております。
 
 私は、当時高校1年生でしたが、田鎖源一さんに70方式名について質問をさせていただきましたが、返事をいただくことができませんでした。
 
 1高校生の気まぐれで、質問したのだろうと思われたようです。また70方式名を教えても速記界に残るかどうかわからないと、判断をされたと思います。
 
 高校時代には図書館で百科事典等々で調べました。中根速記学校在学中には、池田正一先生から「日本速記五十年史」を閲覧させていただいたり、早稲田速記お茶の水教室のK.Y先生の自宅で速記関係の本を閲覧させていただきました。後日、K.Y先生から各方式の文例をお送りいただきました。
 私は昭和47年8月13日〜8月15日の3日間で、「速記方式学資料」(B5版 96ページ)を手書きで作成しました。
 掲載した基本文字は約65方式。調査した方式名は約100ですが、速記方式名が重複しているものもあります。
 各方式の資料のみを集めておりました。
 
 
2005/01/11 (Tue) 「速記基本文字総覧」について
 1月10日に「速記基本文字総覧」を掲載いたしましたが、簡単な過程を説明いたします。
 
 私は高校時代(昭和41年)から各速記方式に興味を持っておりましたので、速記方式で入手できる文献はいろいろと収集しておりました。図書館、古書店等々で基本文字を中心に収集しており、速記界の大先輩及び速記仲間に呼びかけていろいろな資料を提供いただきました。
 A.Aさんからは、明治時代の基本文字表を多数ご提供いただきましたので、今回の作業で使用させていただきました。
 
 昭和47年8月15日に「速記方式学資料」を作成いたしました。
 「速記方式学資料 改訂版」昭和47年12月15日作成。
 「速記方式学資料 改訂2版」昭和51年12月10日作成。
 「速記方式学資料 改訂3版」昭和52年10月1日作成。
 「速記文字集」昭和53年10月1日作成。
 
 これらの資料は青写真及びコピーで速記仲間へ無償で配付してきました。
 一時期、中根式関係の資料作成作業のため、「速記文字集」の作業を中断しておりましたが、その間、継続的に速記関係の文献収集作業を行ってきました。
 
 速記仲間のA.Hさんに「速記方式学」の全部をコピーしてお送りさせていただいたのは、平成7年ごろだったと記憶しております。
 
 何年かしてA.Hさんから、編集長さんの方へ「速記方式学資料 改訂3版」が送られました。
 
 私が作成した資料を、私の知らないところで1人でも多くの方に見ていただけることは嬉しいことです。
 
 編集長さんからホームページ作成のご提案をいただいたことは既に書いてあるので省略いたします。
 
 編集長さんからホームページのご提案をいただいた理由は、「各速記方式の速記文字を掲載する」ことでした。私もそのように考えており、既に2人の一致した意見でした。
 
 ホームページ開設の最初に「速記基本文字総覧」を掲載すると、閲覧者が驚きますので、中根式関係の原稿から掲載をしました。
 平成16年8月31日の編集会議で編集長さんから再びご提案いただいたので、時期的に「速記基本文字総覧」を掲載してもよいと考えて、2人で作業にかかりました。
 
 最初に行ったのは「図版作業」ですが、「速記文字集」で再利用できる図版はスキャナで画像ファイルの作成を行いました。
 また、新たに図版を作成したものもあります。
 
 各方式ごとに「表」を掲載しておりますが、これは編集長さんが担当されたものです。
 また簡単な説明文をつけたのは編集長さんのアイディアです。
 
 2人で詳細な作業の打ち合わせを行いました。作業途中で編集長さんから図版の問い合わせがあり、再調査して、間違っていたことに気がつきました。
 
 昭和53年の「速記文字集」から26年の歳月を経て「管理人&編集長」コンビで、「速記基本文字総覧」として日の目を見ることができました。
 
 1人で作業を行うよりも2人で分担作業を行った方がミスに気がつきますし、よいアイディアなどが出てきて、結果的にはよいものができ上がります。
 
 「速記基本文字総覧」は、一連の作業が全て完了いたしました。
 原稿の変更・追加作業はホームページへアップする前に原稿の作成段階で行うものです。
 
 特に「速記基本文字総覧」のように、データベース化して、一度ホームページへアップしたものを、後から内容の変更及び図版の追加作業をすること自体が大変な作業になります。
 
 今後、図版等の追加作業等は10年ぐらい行いません。
 
 
2004/12/31 (Fri) 平成16年度を振り返って
 平成16年もあと数時間で終わります。
 
 当サイトでは、正月早々から5月10日の中根式速記法創案発表90周年に向けて、中根式関係の文献等を集中的に掲載いたしました。
 また、期間限定でPDF版「中根式速記法教程」等を無償でダウンロードできるようにいたしました。
 
 「速記法則の部屋」には「中根速記学校の体系」を標準的な中根式として常駐させております。
 中根式の法則を紹介する場合には必要なものですので、PDF版になっております。こちらも好評のようで無償でダウンロートができます。
 「中根速記学校」の体系は、中根式を既習した方を対象に作成しておりますので、各速記法則の説明をしておりませんが、速記方式が違う方にもわかるように作成しているつもりです。
 
 9月15日に編集長さんが、Yahoo! Japan の検索データベースに「速記道楽」申請の手続きを行いました。9月27日にYahoo! Japanから審査合格の連絡が届きました。ネット界では、Yahoo! Japan の検索サイトへ登録されることは難関だと言われておりますが、1回で登録申請が通ったのは、編集長さんの技術的な評価が大きかったと思います。
 
 9月には速記界の大先輩K.Tさんから「動画で見る速記」の画像ファイル4本を3回に分けてご提供いただき掲載させていただきましたが、大好評を得ました。
 
 最近は、「手書き速記」の実演を見る機会が少なくなりましたので、貴重な画像ファイルです。速記について口で説明をするよりも、「百聞は一見にしかず」で、速記を知らない方々には非常に視覚的な効果があります。
 
 10月下旬に旭川市の情報誌・ライナーネットワークの記者T.Sさんから、当サイトの取材を受けました。10月26日発行の2558号に、管理人(菅原 登)の写真つきで掲載ウれました。掲載記事には相棒の名前は編集長さんで掲載されております。
 ライナーネットワークは、毎週、火曜日と金曜日に旭川市内に無料で配付されております。
 
 長年の速記仲間・直線一気さんからは、明治時代の貴重な資料をご提供いただきました。
 
 ことしは新年早々から、掲載原稿が、中根式で始まり中根式で終わった1年間でした。
 
 「速記道楽」の本体は、12月29日の「各速記法則体系」が最終掲載になりました。