■ 2006/09/19 (Tue) 朝鮮語速記年表 直線一気さんから「朝鮮語速記年表」の資料をいただきましたので、ご紹介します。
1909年 朴 如日 朝鮮語速記法 新聞「新韓民報」
1919年 金 科奉 「快速筆記法」中国上海
1925年 方 翼煥/李源祥 「朝鮮語速記術」 雑誌「時代日報」
1926年 林 容徳
1927年 金ハント 「ウリマル速記法」 雑誌「新朝鮮」
厳 正友 「朝鮮語速記術」 雑誌「東光」
1934年 金 勇虎 朝鮮語速記法
1935年 姜 駿遠 「朝鮮語速記術講解」 新聞「東亜日報」
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1948年 朝鮮速記術講義 65P 厳 正友 朝鮮速記術普及学会
1948年 解放速記 125P 李 東根 大潮出版社
1948年 高麗式……金 天漢
1950年 世鍾式……金 世鍾
1952年 速記学講義 244P 李 東根 世文社
1954年 朝鮮語速記……厳 世亮/顔 廷超 「速記月報」
1956年 速記教本 226P 南 相天 徳寿出版社
1957年 速記学 190P 南 相天 文林社
1968年 速記学(上・下)189P 南 相天 テギョン文化社
1969年 速記概観 322P 国会事務所
1969年 議会式……国会事務所
1977年 速記学(上・下)212P 柳 舜台/李 康賢
1982年 大韓速記 136P 文 鎮承 京文社
1984年 速記学全集 69〜317P 南 相天
1985年 東邦式速記学(上・下)206P 李東根 創案
221P 李康賢/柳舜台 共著
1986年 基礎速記学入門 261P 南 相天 ホンシン文化社
1986年 逸波式実用速記 274P 張 基泰 松園文化社
1987年 速記練習帳 216P 南 相天 ホンシン文化社
1989年 逸波式実用速記 283P 張 基泰 松園文化社
1990年 最新ハングル速記学 229P ユ スンファ 五星出版社
1991年 速記練習帳 216P+2P 南相天 ホンシン文化社
現在の韓国では手書き速記の教育が途絶えております。手書き速記者は器械速記へ移行してしております。
■ 2006/09/09 (Sat) 拾い読み 岩手速記学院 「日本の速記」平成18年9月号に、盛岡速記教室のS.Mさんが「ボケ防止からプロ速記者まで」という原稿が掲載されております。
(前略)
日本語速記の歴史は、1882年(明治15年)10月28日、盛岡出身の田鎖綱紀が日本傍聴筆記法を発表したことに始まりますが、岩手においては、たしか昭和27〜28年ごろ、国民皆速記の理念のもと、今は亡き加茂秀雄氏により岩手速記学院が開設され、その後、速記関係各位のご尽力により昭和43年5月(※)に日本速記協会岩手支部の設立、昭和52年5月から盛岡速記教室が開設されて、今日まで速記の普及活動が続けてまいりました。
現在の速記教室は、人口30万人の盛岡市の中心部、市勤労福祉センターで毎週月曜日の夜6時から8時まで、だれでも参加できるよう会費は月1,500円とし、中根式の速記を教えております。
(後略)
※昭和43年5月18日(出典:日本速記年表)
中根速記協会機関誌「速記」昭和27年6月号(復刊第36号)に「ニュース写真」“岩手速記学院(岩手支部)”の写真と原稿が掲載されております。
「本協会岩手支部長加茂秀雄先生の手によって設立された岩手速記学院は生徒80余名を迎えて盛大をきわめている。」
「速記」6月号の印刷納本日は昭和27年5月25日ですが、当時は機関誌の1ヵ月遅れがあったかどうか確認しておりませんが、岩手速記学院が設立されたのは5月初旬と推定できます。
同機関誌「速記」昭和28年1月号(復刊第43号)に加茂秀雄先生が「職場速記 1年を顧みる」と題して投稿されております。
(前略)
1952年(※1)初頭において、私は岩手県労働協会の幹部の人々に会った際、職場人のクラブ活動、なかんずく文化活動について話し合って、経営者と労組でできている労働協会の事業として、速記を取り上げたらどうかという提案をして満場一致の賛成を得たのが、岩手速記学院誕生のきっかけとなった。
構成は県の外郭団体としての労働協会の主催でその指導は中根速記協会岩手支部が一切引き受けることにして、私が学院長をやることにして、中根速記協会本部の後援ということで、中根校長のご指導をできるだけ受けることとした。生徒は労働組合員と学生、本科4ヵ月、研究科4ヵ月、高等科4ヵ月ということにして、火木土毎2時間の指導をし、月水金は職場ごとのグループ練習という形を取ってみた。目標として本科は1,500字、研究科は2,500字、高等科は3,000字としてみた。
教材は中根先生(※2)とご相談したところに準拠し、中根速記学校のご指導の下に収録したものを用いることにした。さてただいま1月初頭に既に本科の2回目の卒業生を出し、初めての高等科ができたところであるが、その間にいろいろな問題は出てきているので、各支部のご参考にもと考え次に列挙してみよう。
(後略)
※1 昭和27年
※2 中根正世先生
機関誌「速記」昭和28年1月号(復刊第43号)の「写真ニュース」には「岩手速記学院第2回卒業式」の写真と記事が掲載されております。
「本協会岩手県支部の岩手速記学院第2回卒業式は去る12月27日盛岡市労働会館で行われた。卒業生48名」
加茂先生の書かれた原稿には昭和28年1月初頭に「本科の2回目の卒業生を出し」と書かれておりますが、「昭和27年12月27日」の誤りです。
本科4ヵ月、研究科4ヵ月ですから、逆算すると岩手速記学院が開設されたのは8ヵ月前の昭和27年5月初旬になります。
同機関誌「速記」昭和27年6月号(復刊第36号)の記事と符合します。
当時、岩手速記学院で使用されていたテキストは、中根正世著「中根式速記」昭和27年4月発行と、中根速記学校で指導されていた速記法則とほぼ準拠されたものと推測できます。
※加茂秀雄〔明治26年12月〜昭和52年6月19日〕(出典:日本速記者名鑑)
「盛岡速記教室」の開設が昭和52年5月ですから、加茂秀雄先生が亡くなる約1ヵ月前です。
■ 2006/09/06 (Wed) 速記講座 訓音換記法 訓音換記法は、訓読みのものを音読みで書く方法ですが、速記文字は「上段」へ書きます。
早稲田式の通信教育テキスト(平成6年度版)では、上段に約30前後が掲載されております。
私(チャ 単画早稲田式のシ)、喜ぶ(キ)、行う(同行省略オの楕円)、従う(ジュ・ウ)、伴う(ハン)、学ぶ(ガク)、結ぶ(ケツ 二音文字)、開く(カイ)、進む(シン)、保つ(ホ)、防ぐ(ホ・ク)、余る(ヨ・ル)、はじめ(ショ)、確かめる(カク・メル)、遊ぶ(ユ)、過ぎ(カ)、後(ゴ)、最も(サイ)、くらい(ヰ)、ぐらい(ヰ に加点)間(カン)、盛ん(セイ・ン)、明らか(メイ)、明るい(メイ・イ)、確か(カク)、おのおの(カクカク)、乏しい(ボー・シイ)、喜ばしい(キ・シイ)、あらかじめ(ヨ)、ただし(タン)、まこと(セイ)、話(ワ)。
に限定しております。
早稲田式と中根式は法則体系が違いますので、訓音換記法で処理する言葉が違います。
中根式(中根速記学校)では、指導した年代によって異なりますが、
あらわれる(ゲン)、あわせて(ヘて)、明らか(メ)、あらわす(ヒョウ)、改める(カイ)、誤る(ゴ)、暁(ギョウ)、争う(ソウ)、鮮やか(セン)、集める(シュウ)、暖かい(ダン)、与える・あらかじめ(ヨ)、いたずら(ト)、いたす(チ)、営む(エイ)、戒める(カイ)、承る(ショウ)、憂える(イウ)、麗しい(レイ)、疑う(ギ)、納める(ノウ)、認める(ニン)、等々。
約85前後の速記文字を習いましたが、全部、訓音換記法を使用しなくても摘記略法、各行縮記法などで処理できますので、訓音換記法を使用する速記文字をある程度限定できます。
訓音換記法で書けば、線量が少なくなりますが、摘記略法などを使用した方があとから読みやすい場合があります。
また、ほとんど使用しない「おもんぱかる」を上段で「リョ」と書くことを思い出しているよりも「オモんハく」と書いた方が早い場合があります。
例えば(レば)を〔タば〕と書けば中段に書けますし、「ハ」の助詞も正側につけてれば、他の音を含ませることができます。
いろいろな法則を利用すれば、「訓音換記法」を使用する速記文字を少なくできます。
■ 2006/08/31 (Thu) HP「速記道楽」開店満3周年を迎えて HP「速記道楽」開店満3周年を迎えました。
「管理人&編集長」コンビで、詳細な打ち合わせ作業を行いながらいろいろな企画を行ってきました。
満3周年記念企画はPDFファイルで「Pitman式の紹介」を行いました。
現在、我が国で残っている速記方式はほとんどがPitman式の系統です。
我が国の速記サイトではGregg式の速記サイトがありますが、Pitman式を紹介しているサイトはありません。
現在、Pitman式は衰退しているとはいえ、世界を代表する速記方式です。1837年に創案以来169年間の歴史を有しております。
我々速記関係者はPitman式の原書を見る機会が少ないと思います。
我が国で指導されていた英文速記のほとんどがGregg式です。Gregg式の原書は書店で入手できましたが、Pitman式の原書を入手が難しいと思います。
当サイトでPitman式の原書をPDFファイルで掲載するとWeb上では相当の容量を使用しますので、「冊子」を紹介いたしました。
4年目もいろいろな企画を予定しております。
〔追加情報〕
PDFファイルにはセキュリティを設定しておりますので、ファイルを保存しても印刷・編集・コピーはできません。
■ 2006/08/28 (Mon) 原稿作成方法の違い 最近は、速記関係の機関誌よりも、ホームページの原稿作成作業が多くなりました。
機関誌とホームページでは原稿の作成方法が違います。機関誌は片側通行ですので、幾らない知恵を絞って原稿作成してもほとんど読者から反応がありません。
ホームページは双方向ですから、アクセス件数を見ればそれなりに反応があります。
年1回発行の機関誌ですと、忘れたころに機関誌が発行されますので書いた原稿の内容によってはかなりずれが生じます。
機関誌とホームページの大きな違いは、機関誌は速記関係者のみです。印刷物が発行されて誤植があれば後世へそのまま残ります。ホームページは地球規模でだれが閲覧しているかわからない世界です。ホームページでは原稿を掲載してから内容の変更がなどが後から直せます。
「速記雑感」は、1文書が2000文字以内に制限されておりますが、入力ミスは後から直せますし、原稿の変更が自由に作業ができます。
機関誌のように原稿が没になる心配がありませんので、好きな内容の原稿を文字数に関係なく入力できます。
掲載する原稿も文献等で充分な調査をしないで作成すると恥をかきます。
■ 2006/08/21 (Mon) ピットマン式について 津山千鶴子編訳「やさしい英文速記 基礎編」が昭和57年9月16日に蝸牛社から発行されております。
図書館か古書店を探せば出てくると思います。
「Pitman 2000 SHORTHAND」を日本語で解説した本です。本文162ページでA5判変形です。
■ 2006/08/15 (Tue) 速記雑話 伝えたかったこと 某氏がPDFファイルで速記関係機関誌の編集者に伝えたかったことは、
「速記者なんだから、PDFファイルの原稿を速記文字で書き写してから、パソコンで文字入力をしなさい」
ということでした。
速記は、人の発言を書き取るだけのものではありません。日常生活のメモに使用しても便利なものです。
要するに、編集者の頭の中には「速記は人の発言を書き取るもの」という、既成概念しかなかったわけです。
つまり、速記文字の使い方を教えたかったことが、容易に推測できます。