速記講座【14】 一線練習

 何事によらず一線を超えるというのは並大抵のことではありませんが、特に速 記の練習の場合、一線一線の区別がつかないまま、うろ覚えで前に進んでいって も、混乱するばかりになります。

何か壁のようなものにぶつかれば、とにかく練習を重ねていくことです。そして、 最初からやり直してみることです。繰り返し練習で基本の速記文字を丁寧に正確 に身につけることが一番いい方法です。

 そこで、一線練習ということになるのですが、1人でする場合は「ア・イ・ ウ・カ・サ・タ・ア・カ・ナ………」というように、1音ずつ朗読したものを録 音していき、それを聞きながら書いていくというやり方になります。最初はゆっ くりゆっくり、間違った速記文字を書かないように気をつけてください。そして、 だんだん書けるようになってくると少しずつスピードを上げていきます。

 そして、書きっぱなしではだめです。今度はその書いた速記文字を読み上げて いきます。これも録音して最初に朗読したものと答え合わせをするといいでしょ う。速記文字の下に仮名を書いていくのもいい方法ですね。

 「イロハ」の順番やアイウエオ五十音の順番を書いていくのも1つの方法です。 タイムをとって挑戦するのもいい方法です。1回書くのに何秒かかるか。最初は 恐らく何分間かかかるでしょう。繰り返していくうちに1分間で書けるようにな ります。さらに、1分間に何回書けるかというふうになっていくことでしょう。

また、2人以上で練習をする場合は、交代で朗読役になります。先生役と生徒役 が順番に入れかわっていきましょう。

 速記文字の1つ1つが言葉をとらえる道具です。その道具を効果的に使うため にはその扱いに熟練していくことです。手にならして、自分の使いやすい道具に 仕上げてください。つまり自分の持ち駒をふやしていくということですね。

 何事もそうですが、熟達しようと思えば練習を繰り返すことです。そして、も し間違って覚えていたことがあれば必ず書き直しましょう。

 自分に厳しく、復習は徹底的に容赦なく!