速記講座【34】 数字と英字の書き方

 この前、十干と十二支が出てきましたが、日本語には数字の入った語句がたく さんありますね。

 四字熟語を思い浮かべただけでも、一石二鳥・二人三脚・三寒四温・四書五 経・五臓六腑・七転八倒・十中八九・百発百中・千客万来……と、まあ、このぐ らいなら速記文字で発音どおりに書いても不自然ではありませんね。場合によっ ては算用数字(アラビア数字とも)で書いてもいいですし、自分の手の動きに任 せても大丈夫でしょう。

 ただし、具体的に数字が羅列する数量的なものでは、これまでどおり算用数字 で書く方が無難です。やはり使いなれているので一目瞭然です。何しろ数字を間 違えるようでは記録の価値はありませんからね。プロの速記者でも多くの人がそ のまま使っています。

 もっとも、20、 300、 4,000というように発音しない「0」が続く場合とか、 あるいはまた「万・億・兆」等の区切りの単位とかは、後で読みやすいように工 夫されています。算用数字と併用していくと読み書きのリズムが合います。

 なお、英字(アルファベット)も同様に「ABC」をそのまま書きます。場合 によっては発音どおり書いてもいいわけですが、これは外来語音の書き方とも関 連しますので、次の機会に譲ります。


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 ところで、「十人並み」という言葉がありましたね。これはよく「十人力」と いう言葉に引っ張られ、勘違いしやすいそうですが、「十人の中で一番の……」 ではなく、「十人という比較的たくさんの人を平均した並みの……」ということ で、容貌・技量・才能等が全く普通だという意味ですね。ほめ言葉ではありませ んから、決して喜んではいけませんよ。

 えっ、今まで「十人並み」と言われたら、にこにこしてたって?
きょうからは渋い顔で対応しましょうね。
 ええっ、いい言葉だと思って「あなた、十人並みね」って使ってたって?
昔のことは忘れましょう。