足跡をなぞってみる 1
↑ 用紙 = A4コピー紙を縦長置きしたものの左半分位に書かれている 筆記具 = 万年筆 = LAMY 田鎖式系統 ( 佃式? ) = かわいい形、実に味わい深いオーラ。 安定感、貫禄に満ちている。 画数が多目なものの、線同士の接続に実際上プラス面も多い。 原始田鎖式から発展してきた複画派符号の実体の代表格。 速記士登録者も多く、日本速記協会推薦方式の一つでもあった。 田鎖式系統 ( モリタ式 = 佃式系統でもある ) = 上記の佃式の折衷派移行型とも言える。 画数が多過ぎず、少な過ぎず、なかなか巧妙な速記法体系。 ------------------------------------------------------------- 【 モリタ式について & 折衷派符号について 】 若き頃より数々の豊かな速記実務経験を積んだ上で、衆議院速記者の採用試験に首位合格した森田章三氏。 その森田章三氏が、国立の実務者養成機関である 「 衆議院速記者養成所 」 での採用符号として生徒たちに教授すべく、思い切って採用した折衷派符号である。 「 判読時の確実性と速記符号自体の速度性能 」 といった、実務において突き付けられる要求を満たすべく、「 複画派符号の確実性、単画派符号の速度性能 」 の中間位置にあるとも言える折衷派符号を採用している。 その後、最終的には、衆議院速記者養成所で教授される速記符号体系の基本は 「 単画派符号 ( = 衆議院式標準速記法 → 西来路秀男氏によりまとめられる ) 」 となっていったが、「 森田氏が早逝していなかったならばどうなっていただろうか 」 という仮定も興味深い。 森田氏は武田式 ( 単画派 ) の研究者でもあり、そのまま単画化まで突き進んだかもしれないし、そこまでは行かずに、もしくは参議院式のごとく、後戻りする形で折衷派に落ち着いたかもしれない。 あくまでも歴史の仮定ではあるが … 。 衆議院式は最終的に単画派符号となっていったが、参議院式は上述のごとく、単画化したものの、最終的に養成所で教授される符号として残ったのは折衷派符号であった。 「 確実性と速度性能のバランス、両立を如何に? 」 は、ある種、永遠のテーマのようなものかもしれない。 結局は学習者の資質にもよるが、「 現実上、ある意味 」 とでも言おうか、「 折衷派符号は一番無難で確実な面も多いと言えなくもない 」 ように思われる。 |