かつてのモンゴル人民共和国ではこの縦書きの伝統的モンゴル文字で速記をしていた。キリル文字にしてから半世紀以上経ってしまい、民主化以降モンゴル国になってこの文字が復活したが、当初意気込みがあったが、最近はどうなったかよくわからない。せっかく復活したけれども、以前書いていた人が高齢化してしまい、速記としては使われてはいるかはわからない。 しかし、2005年にこの「はやがき法」の本が出版された。
一方中華人民共和国内蒙古自治区には、使い手はたくさんいる。ただし私用で使うことが大半であり、公共機関は漢語なので使うチャンスはない。
上段左から3行目はаав (abu) で 「父」
上段左から5行目はэнэ (ene) で 「これ」
上段左から6行目はил (ile) で 「明らか」
下段左から3行目はолон (olan) で 「多い」
下段左から4行目はулам (ulam) で 「さらに」
下段左から7行目は ѳлмий (ölmei) で 「爪先」
左から3行目は нам (nam) で 「党、静か」
左から4行目は намхан (namqan) で 「低い」
左から6行目は хаан (qaɤan) で 「ハーン」
左から7行目は халуун (qalaɤun) で 「熱い」
左から10行目上段は рашаан (rasiyan) で 「温泉」
左から10行目下段は арван (arba-n) で 「10」
左から11行目上段は газар (gajar) で 「土地」
左から11行目下段は хамар (qamar) で 「鼻」
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楷書 行書 草書
のようなもの
日本松柏会発行 より 引用
速記文字画のようなもの
左上 馬 МОРЬ mori
右上 鳥 ШУБУУ sibagu
左下 鶏 ТАХИА tahiy-a
右下 蛇 МОГОЙ moɤai
オイラートモンゴルのトド文字
縦文字のモンゴル語は発音と表記が相当異なっているが、オイラートモンゴルのトド文字はほぼ表音になっている。
モンゴルの「ゴ」の○などは、金田一京助の国語辞典の表記とそっくりな所がある。「が」と鼻濁音「か゜」の関係がそうである。
蒙古語入門 山中元著 国際学社発行 より 引用
「シュド」とは歯という意味で、凸凹した形のことです。
地球の歩き方 モンゴル編 ダイヤモンド社発行 より引用