斜線タ行の再現
前段で引用した文献によって、現行タ行を補正してみると第14図のようになり、 当然現行キ、ケとの抵触が生ずるので、前掲第13図のように修正する必要がある。 なおク符号は現行の法則どおり、チの濃線として / が考えられるが、私はあえ てウ列清音符号は、正側中部加点という原則をできるだけ通す意味で加点直線を 配してみた。 かくして、どうやら「リョのなぞ」は解けそうである。すなわち、ショーの直 線化はショという法則はリョーの直線化リョとして生かされ、しかもそれは「リ ョはデにカギ」の形となっているではないか。(第16図)問題は創案者が、恐らく 創案直後、まだ普及されない以前にケとテ、キとチを入れかえた理由である。創 案者からは、この点に関しての御見解をまだ伺ってはいないが、恐らく両者の符 号の使用度数を考慮されてのことと推察するわけであるが、現在各種の新法則の 研究により、あえて斜線キ、ケをとらねばならぬ理由は、減少しているのではな いか。とすれば、リョとの関連においても、私は、創案当時の姿にタ行を戻すこ とに不合理はないと思うのである。こうして私は曲線を配したカ行を作案すると 同時に、文献により、創案当初の姿を再現する考古学者にも似た作業を経て、こ こに斜線で一貫するタ行符号をとらえることに至ったのである。 私案50音符号 以前述べたところにより、改変の結果次のような50音符号ができ上がる。(第17 図)「ス」については次の機会に説明する。 |