35番目の抄下法も中根速記学校で指導されたものです。前の符号からすくってショ、ジ ョ、トウ、ドウを省略する方法です。ショブン  ショコク  ショモンダイ   トウカ  オウベイショコク  イロイロナモ ンダイ  とかに使います。その他にカクホとかコウジョウというようにも 使います。オ列を省略するためにシキンノカクホ  ギジュツノコウジョウ   にも使います。これは植田先生の符号でありますが、現在ではゾーン記法に入っておりま す。

 36番目の頭部加点法ですが、これは中根速記学校で指導されたものです。「中根式速 記」の昭和11年5月号に発表されております。○ッ○ラ行の書き方で、アッサリ、サッパ リというように、頭部に加点して省略するものです。○ウ○ンは、植田先生の符号でチュ ウシン、ジュウブンという書き方でウ○ンを省略しております。トウ○ンも植田先生の符 号で、点をトウと読んでメの符号を書く方法です。

 37番目のスミニヒカリシ記法は説明しましたので省略いたします。

 38番目の交差法、平行法は、正世先生が機関誌「中根式速記」の昭和6年12月号に発表 されております。特殊交差法、特殊平行法という言葉を使っておられますが、交差法と特 殊交差法とはどう違うのかと申しますと、交差法の場合、ソウリダイジン   と書きます。これはソウリまでを書き、ダイジンをダで交差します。特殊交差法の場合、 ソウリダイジン  と書きます。ソウリのソウとダイジンのダを交差します。中根速 記学校では、正世先生の特殊交差法、特殊平行法のことを交差法、平行法と呼んでおりま す。
 この他、省略法名を挙げますと、改良基本文字、ウ列加点文字、ア行表象法、頻出音節 換記法、ウ・ス・ヌ・ム・ル縮記法、Z記法、外国語縮字法、数詞、逆流・反転・借用、 融合記法があります。これは植田先生が昭和63年に整理されたもので、直線融合がありま す。ショキチョウ<図1>と書きますと、ショは75度で3ユニット、キは60度で3uユニ ット、チョウは45度で9ユニットになります。これは書きにくいのでショキを6ユニット にします。<図2>という形になります。また、ジムキョクチョウ<図3>はジムはマ行 省略して逆小カギをつけます。キョクは15度で6uユニットですから、<図4>キョクチ ョウは9ユニットで45度になります。
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