モ」と書いております。これはT.Kさんが「いたしまして」と訳しておりますが、当時
は現在とは速記文字が違っていたのではないかと推測しております。
これは、上段にカであり、マシタがモで、大円が当時の助詞のガであります。現在では イタスなら線がチですから、カの線はチだったことが推測できます。 それではレジュメの4を見ていただきますと、4−1と4−2の符号は角度が少し違っ ております。4−1は「中根式速記法講解」の正親先生の符号で、4−2は「通俗中根式 速記法」で正世先生の符号であります。4−1はア行が45度で4−2は30度になっており ます。4−1はキは45度で4−2は60度になっております。4−1のサ行も45度になって おり4−2は30度になっております。4−1のタ、トは60度になっております。ツ、フも 4−1では45度で4−2は30度になっております。ヤ行、ラ行、ワは、4−1では45度に なっており、4−2では60度になっております。 さて、この角度については、森先生は米国のクロス式の角度を参考になったので、正世 先生に話したことがあると言われております。また正世先生は、戦前の中根速記協会の機 関誌に、自分が先に発表をしたというようなことを書かれております。この説については ともかくとしまして、次に進みたいと思います。 5番目は、正親先生の拗短音であり、6番目は正世先生の拗短音であります。この表も 角度が違っております。 7番目は植田先生の拗短音でありまして、昭和44年ごろに高松商業高校の速記部で指導 されたものでありますが、現在は少し変わっております。キョは15度、シュは45度、ショ は75度、チョは15度、リョは15度の濃線になっております。濃線で書かない場合はチョに 加点を打って使うこともあります。 8番目は新潟県立長岡商業商業高校速記部のリョでありますが、シュ、ショ、キョ、チ ョは、負側にカギをつけておりますが、リョのカギも負側につけることによって統一をす ることができております。また、最初に間違ったまま覚えてしまい、そのまま指導してい たので現在まで続いているのではないかと思っております。これはよく初心者が間違えま す。 9番目の長拗音でありますが、中根式では長音と拗長音をあわせて長拗音と言っており ます。これは先ほどKさんから説明がありましたので省略させていただきます。 10番目は植田先生の符号でありまして、スはアとラの符号に加点をしております。その 下はスウです。一番下はショウです。普通、中根式ですとアアに使っております。 11番目は切り線でありまして、文例はカコと書いてあります。最初は正親先生は負側に 小円を入れております。2番目は植田先生の昭和26年に発行された「中根式速記法原理」 |