植田先生の助詞は現在では少し変更になっております。
 この他にも、助詞はいろいろありますが、ここでは時間がありませんので省略いたしま す。

 17番目の加点インツクキ法に入ります。
 (1)は正親先生の加点インツクキ法であります。カの字に各インツクキ法の符号をつけ てあります。カイ、カン、カツ、カク、カキとなりますが、チの符号はありません。これ が最初の加点インツクキ法で現在は使われておりません。文例を書きますと、コンポン  
or  は  となり、モンダイ   は  となります。
 さらに発展したのが、(2)の正世先生の加点インツクキ法でありまして、中根速記協会 機関誌「中根式速記」の昭和11年12月号に発表されております。
 (3)は中根速記学校で指導された加点インツクキ法でありまして、ツとチは同じ加点位 置になつております。クとキも同じ加点位置になっております。
 簡単に説明いたしますと、1音目は基本文字、2音目は加点の位置、3音目は省略、4 音目はインツクキ法の符号を使います。コンカイは  コンナンは  と いう形になります。また、サイキン  ダイタイ  というふうににも使います。 加点インツクキ法は、先生によって教える先生と教えない先生がおります。

 18番目の上段に入ります。上段は、さきほどKさんより説明がされたとおり、訓音換記 をいたします。ワタクシをシ  と書きます。カナラズはヒツ  と書きます。
 正世先生は上段と特殊上段にというふうに分けておられます。ムシロはネイ  と書きます が、特殊上段ではネ  と書きます。中根速記学校では、特殊上段と申しますと別角 ものになります。アタラシイはシンシイ  と書くべきものを  と書いてアタラ シイと使っております。これは植田先生の摘記略法に当たります。
 訓音換記法が出てきましたので換記法についてお話をいたします。
 換記法の中には、訓音換記法、類似音換記法、類似線換記法、音節換記法があります。
 類似音換記法は、より書きやすい、よく似た符号で書く方法であります。ユウ  を   ヨウ  を  と使います。またシュツ→シツ、エ→イに使います。
 また類似線換記法は、ヤは  →  、ヨは  →  と書きます。ヤク イン  というように使います。
 音節換記法は、中根式の方は昔から使っていると思いますが、ネツイ  →  
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