古い「早稲田速記新聞」を調査すると、早稲田式の通信教育では、昭和47年の 検定試験で東京都の13歳の男子が3級に合格して「協会奨励賞」を受賞しており ます。この方は小学校5年(昭和45年)の夏休みに通信教育を受講しております。
 広島県では小学校5年生の男児が5級に合格して「協会奨励賞」を受賞してお ります。この人はスクーリングに出席しております。
 プライバシー保護のため個人名は伏せておきます。
 速記界では小学校5年生で速記の学習開始は比較的早い方です。「早稲田速記 新聞」を調査したら大体中学1年〜3年生です。
 高校生になると速記学習者がふえております。

 戦前の旧制中学では全国各地に「速記部」がありましたので1年生で速記の学 習ができました。現在の中学1年生ですから、5年間は続けてクラブ活動で速記 の練習ができました。
 戦後は昭和22年3月に「教育基本法」が制定されて6・3・3・4制になりま した。新制中学になってからも、一部の中学には「速記部」があり、顧問の先生 が指導をされておりました。
 この時期には旧制中学から新制高校に制度が切りかわった時期に6年間速記部 に在学できた世代もおります。

 中根式では昭和6年12月28日に「第1回 全国中等学校中根式速記競技大会」 が行われ18名が参加をしたと伝えられております。当時は個人戦で「天王寺商 業」が優勝しております。団体戦は昭和23年から始まりました。
 中根式では、昭和10年に小学3年生(9歳)と小学5年生(11歳)が参加をし ております。競技会終了の翌日に当時の松田文部大臣の前で速記を書いてみせた という文献もあります。プライバシー保護の観点から名前は伏せておきます。
 ちなみに優勝されたのは中学5年生(18歳)です。いずれも数え年の年齢です が、この3人は兄弟です。
 少なくとも小学校2年生ぐらいで速記を学習したことが推測できます。

 戦前の競技速度は、手元に資料がありませんが、昭和26年8月の全国大会では 決勝戦が分速400字×5分間競技を行われました。競技問題文は官報を使用して おります。ちなみに優勝者のミスは46字です。昭和27年の全国大会から日数と採 点に時間がかかる関係で1分競技になっております。
 昭和24年には30秒×250字、つまり分速500字で優勝決定戦が行われております。
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