世界速記年表
クロニクル・モンド

〜18世紀 | 19世紀 | 20世紀以降

BC350年 1883年ギリシャのアテネのアクロポリスで簡略化された子音群を含む速記用遺物が発見された。19世紀末にはデルフィでも碑文に刻まれた速記用の断片が発見されている。
BC63年  「いったいどこまで、カティリーナよ、われわれの忍耐につけ込むつもりだ」と11月8日、ローマの元老院でキケロが発したカティリーナ弾劾演説の冒頭をティロはキーワードをとってQPNと書いた。
1180年  このころイギリス僧、ティルベリのジョン Johon of Tilbury が秘密文字を考案した。縦の直線の周囲に横の直線をつけた構造をとった。
1551年  イギリスでティモシー・ブライト Timothy Bright (1551-1615) が生まれた。
1579年  トリニティ大学を卒業したあとパリへ遊学していたイギリスのブライトは帰国したあとケンブリッジ大学で医学博士号を取得した。パリ遊学中にティロの速記に触れたとされる。
1588年  ブライトの「キャラクタリー;記号による簡単、早書き秘密文字」が発行され、エリザベス女王から特許を与えられた。特許は15年間、速記を指導する独占的権利を与えた。ブライト式はアルファベットが18、略語が538で構成された。
1598年 フランスのジャック・コサール Jaques Cossard がオランダ語の速記を基にフランス語の速記を考案した。
1602年  イギリスのジョン・ウイリス John Willis (1575-1627)の「速記術」(Art of Stenography)が発行された。表音主義に基づき、子音ストローク、母音ポジションで表記した。ウイリスはこのときギリシャ語の stenos と graphia から「ステノグラフィ」を造語した。
1607年 ロンドンでステノスクリプトABC速記が創案された。普通の筆記体を用い、句読点を打つ。
1626年 イギリスでトーマス・シェルトン Thomas Shelton がウイリス式を基に発展させたシェルトン式を創案した。
1627年  イギリスでジョン・ウイリスが死去した。
1633-1703年 イギリスでサミュエル・ピープス Samuel Pepys による「ピープスの日記」が書かれた。シェルトン式を用いた。
1646年  イギリスでウイリアム・メーソンの「ラ・プリューム・ボランテ」(La Plume Volante) が発行された。
1649年 イギリスのジョン・リルバーン John Lilburne が最初の裁判速記を行った。その記録は3世紀を経ても使用に耐える逐語記録であった。
1651年 最初のフランス語速記がジャック・コサールによって創案された。Methode pour escrire aussie vite qu'on parle。
1672年 イギリスでウイリアム・メーソン William Mason がメーソン式を発表した。カートライト・リッチ式を発展させ、母音の変化を位置であらわすほか、ストローク符号に小円を加えて連綴性を改善した。
1678年  イギリスのラムゼー C.A.Ramsay がシェルトン式をドイツ語に応用した。
1692年  イギリスでジョン・バイロム John Bayrom が生まれた。
1720年 イギリスのジョン・バイロムがバイロム式を発表した。アーサー・メンツはバイロムを「合理的な速記法の父」と呼ぶが、子音はストローク、母音はポジションで表記された。
1724年  バイロムは英国学士院会員に選ばれた。
1726年 イギリスで速記者協会が設立された。
1736年 フィリップ・ギブス Phillip Gibbs が長短母音の区別導入などアルファベットベースの表音主義の方式を創案した。
1738年 ガーニー Gurney は初めてイギリスの裁判所、オールド・ベイリーの速記者に任命された。19世紀初めにはガーニー一族はイギリス議会下院の速記士になった。
1742年  「バイロム式速記」が著作権を得た。
1749年  イギリスでサミュエル・テーラー Samuel Taylor (1749-1811)が生まれた。
1750年  トーマス・ガーニー Thomas Gurney の「ブラッキグラフィ」('Brachygraphy')がイギリスのマンチェスターで発行された。ガーニーはメーソン式を基に創案した。
1750年 イギリスでウイリアム・ティッフィン William Tiffin がティッフィン式を創案した。最初の表音主義に基づく方式。(Caleb W.Davis)
1752年 イギリス議会下院で速記を採用した。
1767年  マンチェスターでジョン・バイロムの「ユニバーサル・イングリッシュ・ショートハンド」が彼の死後4年後に出版された。
1772年  トーマス・ガーニーがイギリス政府から第一号の公式速記者として指名された。
1727年 イギリスのジョン・バイロム John Byrom がバイロム式を発表した。子音をストローク、母音をポジションで表記し、連綴法に工夫を凝らした。
1778年 フランスのテブノ Jean Felicite Coulon de Thevnot (1754-1813) が「テブノ式」を創案した。
1786年 イギリスのサミュエル・テーラー Samuel Taylor (1749-1811)の「ユニバーサル速記法確立のためのエッセー」('An essay intended to establish standard for an universal system of stenography')がロンドンで発行された。のちにピットマン式、グレッグ式、スピードライティング、ステノタイプに影響を与えた。
1787年 イギリスのサイモン・ジョージ・ボードリー Simon George Bordley が「ボードリー式」を創案した。最初の文字式速記。(1)低速度速記法は普通文字を用い、(2)高速度速記法は速記符号を用い、(3)音楽用速記法の3タイプから構成された。低速度速記法は活字体を使い、連綴されなかった。
1787年 フランスのクロン・ド・テブノー Coulon de Thevnot が「タキグラフィ」 Tachygraphie の書籍を発行した。
1791年 ベルタン Theodore Pierre Bertin (1751-1818) がイギリスのテーラー式を改良して母音をポジションであらわす「ベルタン式」を創案した。
1792年 ロシアのヘンリ Franz Henri がフランス語のクロン・ド・テブノ式を応用してロシア語の速記法を考案した。
1797年 イタリアのピエトロ・F・モリーナ Pietro F.Molina がイタリアで初めての近代速記法を創案し、Scrittura Elementare を出版した。

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