10.指導者研修会開催について
現在、実務速記者や速記指導者でも「速記史」に対して非常に知識が低い人が多くおります。
実務速記者や速記指導者に限らず、速記界全体を見ても「速記史」に対して非常に知識が低いのは残念なことです。
各方式の指導者の中には自己が使用している方式の創案年代、創案者、方式の系統を知らない人もおります。これは、その教授所で速記史を指導していないからだと思いますし、田鎖綱紀が、速記を発表した年代を知らない人すらおります。
速記指導法とともに速記史(西洋史及び日本史)を勉強する必要があります。
指導者研修会は5日から1週間程度が理想的ですが、実際には上記の科目を履修するのには少なすぎると思いますが、指導者として必要最小限の内容だけを講習すればよいと思っております。
科目によっては講習しなくても、教範を読むだけで十分に理解ができますが、「速記指導実習」に関しては教範を読むだけでは理解ができません。
指導者自身が教範を読むだけで十分に理解ができるものばかりですが、問題なのは、指導者自身が真剣に文献を熟読するかどうかです。
これは社団法人日本速記協会の「速記指導者認定証」にも関することですので、指導者研修会後には「速記史」の試験(筆記試験)を実施して、合格者に指導者認定証を交付すべきであると考えます。
社団法人日本速記協会が行っている「速記指導者認定証」は制度的にも速記指導者としての資格条件が十分に整っておりませんし、現行の制度では速記指導者の資格は、社会的にも立派に通用しません。
いずれにしても「速記指導者認定証」は、社団法人日本速記協会で交付している「1級速記士証」及び「2級速記士証」と同様に社会的にも立派に通用する「速記指導者としての資格」でなければいけません。
速記指導者の資格を向上させるためには、速記指導希望者自身が文献を積極的に熟読することが必要です。
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