中根式の体系

 法則体系の分類

 大正3年5月10日に中根式が発表されてから、今日に至るまで各地の研究者により、各法則体系・新方式が発表されております。ここでは中根式の主な法則体系について簡単に説明をします。

 中根式の法則体系を大まかに分類すると下記の9体系が考えられます。

 中根正親の体系(初期の中根式)

 中根正世の体系

 中根速記学校の体系(九段下の体系)

 植田 裕の体系

 稲垣正興の体系

 森 卓明の体系

 森下 等の体系

 武部良明の体系

 吉川欽二の体系


さらに

長岡商業……新潟県立長岡商業速記部

金沢二水……石川県立金沢二水高校速記部(現在:廃部)

学習院大学……学習院大学輔仁会速記研究会(金沢二水の流れ)(現在:早稲田式)

田  村……愛知県・一宮商業高等学校速記部出身の田村潔さんは基本文字の段階から植田を採用しており、九段下、稲垣の体系を折衷しております。

西  澤……滋賀県彦根市の西澤政之さんは森の体系に九段下、正世の体系を折衷し、独自の研究をされておりまする。

などが正世の体系や九段下の体系とは異なった法則体系をなしております。


 このほかにも法則体系が存在しますが、ほとんどが正世の体系や九段下の系統と思われます。私の手元に資料がないので実態はわかりませんが、文例を見る限りでは大差がないように思えます。

 私はこれらの各体系を総称して中根式と呼んでおります。