田鎖系統の速記人たちは… 私がここで紹介する私製バージョンの折衷派速記法ですが、 当初は、いわゆる田鎖式の複画派速記符号の研究をしてきた中で「明治以来の田鎖系統の速記人たちは、 ああいった符号で、どのように書いてきたのだろうか……、 現代の例えば『早稲田式、中根式』といった民間の著名方式と比べた場合、 明かに古いタイプのようではあるけれど……」などと、いつも考えておりました。 明治以来、速記の実務で速記の実用化を最初に果たした田鎖系符号……、 複画派一辺倒であったところに、エドワード・ガントレットによる折衷派が登場し、 さらには武田千代三郎の武田式(単画派)、熊崎式(折衷派で、早稲田式の50音符号の8割近くは同様の符号で占められている)の登場と大普及、 そして中根正親による中根式(単画派として本格的に実用化され、大普及した方式である)、 さらには衆参各養成所における方式の改良発展、もっと近代に至っては同列音同方向という50音符号構成原則のもと、 独自の観点で一つの方式として樹立されたV式の登場など、まだまだ申し述べればきりがないのですが、 少なくとも現在でも学ばれ使われている方式は、各々の長所、美点を有するものばかりだと、敬意を表します。 1・2・3・4・5・6・7・8 |