序 論 なぜ折衷派を採用するのか
平野 明人 2023年9月19日 記 ①は、その名のとおり、髪の毛のような単純な1本の線で50音が構成されています。 ②は、①と③の中間的なもの、といったような意味で「折衷」!! ③は、①とは反対というか、上記「キ,ク,ケ,コ」のように、ダンゴ(円など)が くっ付いたものが圧倒的に多かったりするタイプです。 ここでは、なぜ折衷派を採用するのか!? (折衷派だと、何かよい点があるのか?) そのものズバリ、①と③の長所と短所をある意味、程よくすり合わせつつ、無難に日本語音の組み合わせを割合なめらかに、かつ速度性能をさほど低下させずにいられる……という点などが挙げられます。 ①②③の各々は、日本語速記として存在するさまざまな方式 (≒流派のようなもの)を、ある観点に基づいて分類したものにすぎません。 ちなみに衆議院式と参議院式は国の養成機関における教育で採用されてきた方式ですが、 上記①②③という点で、属性が異なる点は興味深いです。 以下、特に他意はありませんが、ざっと挙げられる方式の属性を述べてみようと思います。 ① 中根式、衆議院式、山根式、V式 ② 参議院式、早稲田式、石村式(=割合、単画派に近いが……)、熊崎式 ③ いわゆる 田鎖式 1・2・3・4・5・6・7・8 ― 目次 ― 速記符号文例(動画、図版付) |