トータルバランスをどう整えるか

私自身は、既に述べたように、複数の方式を書き、使用することができる速記バイリンガルのような状態になってはいますが、 速記を実利という点で申せば、何らの意味もほとんど持たない、いや、無駄そのものと言ってもよい変態趣味人の域に入っています。
好きでやってきただけなので致し方ないわけですが、いろいろと速記符号を書いてきた中で、 ある程度の好みや符号に対する考え方など、人間ですから個人としての思いが確かに存在します。
ひとつ、速記をこしらえる場合に、理論と実際ということが常につきまとうことは言うまでもないのですが、 これまた、実際にこしらえて、実験してみないとわからない世界が確実にあります。
言語という、数多くある語の組み合わせを書き取り、それを正しく判読するという行為にあって、 普通文字とは、およそ根本的にその構成、構造の異なる速記符号ならではの諸問題が常に内在するように思います。

ある程度の理論的な構成と、実際的な対応、方式体系として人間が扱うことができる程度に整理されたものであること等々、 トータルバランスをどう整えるかといった方式創案ゲーム、方式作成ゲームのようなところが、方式開発にはあります。


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