衆議院式・参議院式

録音機の出現と速記という点で、私論を述べます。
録音機に頼れなかった時代に、既に立派にひとり歩きしていた系統の主たるものこそが田鎖系統というわけなのです。 そしてまた、それは複画派、もしくはそれを少し変化させて折衷派に近づけた程度の符号線量( ここでは50音基礎符号レベルで申していますが、……)での実績であったわけです。
衆参の養成所の両方式は、もとは同じ田鎖系統の符号から始まり、何十年もの長きにわたり、いわば正常進化していったもので、 広い意味での田鎖式発展型符号であると言えます。
早稲田式や中根式といった民間の大方式が大普及をし、録音機も現れ……といった時に至り、 いずれかの時点でいわゆる複画派の田鎖符号は影をひそめていったわけです。

参議院式では折衷派符号としてのバージョンが最終的に定着していきましたが( 単画派である衆議院式の良し悪しを申すつもりは毛頭ありません)、これはもう、 見事なほど実務を果たすために、符号としての現実対応、改良の一途を長年たどってきた結果の偉大な結実体なのです。
衆議院のほうは、約80年以上にわたり、ほぼ変わらない50音基礎符号と理論のもと、改良、補完を果たすべく、 先人たちのあまたの手を通して丹念に磨き上げられてきたものに違いないのです。


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