話は逸れるが、私が速記検定1級を複数方式で受験し始めた矢先のこと、こんなやりとりが父とあった。 「やればいい。武道でも、空手だけを知っているのもいいが、さらに剣道や柔道、合気道を知っていて悪いはずがない」 実際、さまざまな武道もかじってきたと父の言葉に返す。 「自分ではこれでいいと思ってるんだけど、人はいろいろと思うんだろうなって思ったりもするんだ...」 「やっていいことといけないことがある。 これはやっていけないことか? 違うだろ...。 明人がやりたいと思うなら、 やれるうちにやったらいいさ。 幾つの方式、 やれるつもりだ?」 「今、中根式と早稲田式だけど、あと石村式とモリタ式までは多分、行けると思う」 「そうか、頑張れとは言わんが、とりあえずしばらく、腰を据えてみろ。 楽しんでやれよ」 「うん、検定、しんどいと言えばしんどいけど、まあ速記のこと、 楽しんでやってることは確かだから」 「よっしゃ、 楽しめよ。 いいなあ、 楽しめるものがあるのはなあ・・・」 |