9.科目における時間数
速記教育機関における期間を1年間と設定しました。指導者養成対象者と科目における時間数を、1単位時間を50分とし、週に30時間(1日6時間)としました。
以上の観点から、速記教育機関における科目の時間数を割り出してみました。
*「速記法」については各自が習得をした体系を学ぶ。
「速記術」については習得を前提にしているので、科目の時間数には入れておりません。
「速記概論」では速記の全般的な内容。
「速記学」では速記を学問的な見地から学ぶ。
「速記方式学」では各方式の歴史的な流れを学ぶ。
「速記史T」は日本史です。
「速記史U」は世界史です。
「速記指導法」は「速記法」及び「速記術」の指導実習を含む。
「速記法研究」では中根式における各法則体系を学び、テキストの作成方法も含む。
「速記法研究」では、「スピードメモ法」も含めた時間数です。
「速記実務」では実務に関する知識を学ぶ。
以上は「速記教育機関」における科目の時間数ですが、「独習」や「通信教育」に関してはどうでしょうか。
極論をすれば、私は、文献さえそろっていれば「独習」だけで目標の95%は達成できると考えております。後の5%は研修会で最低限の内容を研修すれば済むと考えております。
「独習」をする場合には1日3時間として、計算をすれば1年間もあれば十分です。
試しに「速記教育機関」における1年間の時間を計算してみましょう。
最近は、完全週休2日制の導入によって土日が休みです。祭日、夏休み、冬休み、春休み、ゴールデンウィークも含めると、実質は約220日です。
速記教育機関の場合
実質 約220日(週5日制)44週間
1日(50分×6単位)=300分(300分÷60分=実質5時間)
5時間×220日=1.100時間
試しに「速記教育機関」における1,100時間を「独習」の場合について、単純計算すると下記のようになります。
1)独習の場合(1日3時間)
1,100時間÷3時間=366.6666日
366.6666日−365日=1.66666日
365日×3時間=1,095時間
1,100時間−1,095時間=5時間
*残った5時間を1時間ずつ休日に配分します。
2)独習の場合(1日2時間)
1,100時間÷2時間=550日
550日−365日=185日(1年6カ月+5日)
3)独習の場合(365日を均等に割る)
1,100時間÷365日=3.013時間
365日×3時間=1,095時間
1,100時間−1,095時間=5時間
*残った5時間を1時間ずつ休日に配分します。
単純計算では上記のようになりますが、最近は完全週休2日制の導入により、計算の仕方が変わってきます。
平日を248日、土・日、祭日を117日と計算します。
1)独習の場合(平日3時間+休日3.042時間)
平日248日×3時間=744時間
1,100時間−744時間=356時間
356時間÷117日=3.042時間
117日×3時間=351時間
356時間−351時間=5時間
*残った5時間を1時間ずつ休日に配分します。
2)独習の場合(平日2.5時間+休日4.102時間)
平日248日×2.5時間=620時間
1,100時間−620時間=480時間
480時間÷117日=4.102時間
117日×4時間=468時間
480時間−468時間=12時間
*残った12時間を1時間ずつ休日に配分します。
3)独習の場合(平日2時間+休日5.162時間)
平日248日×2時間=496時間
1,100時間−496時間=604時間
604時間÷117日=5.162時間
117日×5時間=585時間
604時間−585時間=19時間
*残った19時間を1時間ずつ休日に配分します。
上記のように、1)〜3)の方法を選べば、自分に合った1年間の学習計画が組めるはずです。
この計算は「速記教育機関」における1,100時間を単純に計算したものですが、「7.使用文献について」で挙げている最低限の教範を熟読する時間は、「指導実習」を除くと実際にはもっと短くなるはずです。
以上のように「速記指導者養成計画案」には「社団法人日本速記協会」及び「中根式速記協会」において「速記指導者養成」に関しては実現が可能なことを書いております。
要は「速記指導希望者」が文献を熟読するかどうかです。
参考までに、「速記法」「速記概論」「速記史T」「速記史U」「速記指導法」「速記法研究」の4科目を中心にした「科目の時間数」を作成しました。
次に、「速記教育機関」における、初心者から速記指導者を養成するまでの科目と時間数を作成しました。
本科と専科は、科目の関係で前期と後期にわけております。期間は3年間に設定しました。
本科(1年生)、専科(2年生)、研究科(3年生)。
1.「速記法」は本科前期において、体系のほとんどを終わらせて、後期では「速記 術」が主流になります。
2.「速記術」では速度練習及び反訳時間を含めた時間です。
3.本科及び専科は実務速記者養成の時間割と同じです。
4.研究科における「速記術」は、速記力を落とさない程度に組んでおります。
5.「パソコン」は反訳におけるパソコン実習です。
6.この他にも「生涯学習」の通信教育を修了しておくことが望ましいでしょう。
7.「生涯学習」の通信教育は、財団法人実務教育研究所が文部科学省認定社会通信教育「生涯学習指導者養成講座/生涯学習ボランティアコース」として実施しておりますので、通信教育を修了しておくことを勧めます。速記の通信教育と比べると学習はかなり楽なものです。
速記指導者は速記教育をする上でも生涯学習についての基礎的な知識も必要です。速記教育を考える上でも参考になります。
*財団法人実務教育研究所(〒160-0015 東京都新宿区大京町4 03−3357−8153)
参考までに「生涯学習指導者養成講座/生涯学習ボランティアコース」の内容を紹介します。
第T単元/生涯学習とボランティア活動
現代社会とボランティア/学習ボランティア活動の方法/学習ボランティアの活動/学習ボランティアの養成と活用
第U単元/生涯学習の方法
生涯学習の原理/個人学習の基本/集団学習の基本/生涯学習の展開
第V単元/学習メニューと学習プログラム
学習メニュー方式による学習/学習メニューの作成/学習プログラムの作成/学習プログラムの作成
第W単元/生涯各期の学習と教育
乳幼児期と少年期の教育/青年期の学習と教育/成人期の学習と教育、女性の学習と教育/高齢者の学習と教育
第X単元/成人教育と学習の理解
成人の発達/成人教育の原理/成人の生活と学習/成人の学習構造
第Y単元/生涯学習と生涯教育
生涯学習への道/生涯教育論の系譜/我が国の生涯学習の施策と動向/地域における生涯学習の展開と課題
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