ウ列加点符号
50音符号については、既に諸先輩によって、ウ列加点符号に対する研究とか、濃線排除に関する研究が行われてきた。 森 卓明氏は昭和7年8月29日発行の「速記研究」第92号(京都速記研究所刊)で「方式の一部改変について」と題して論文中、 第1図に示すような案を掲げている。大きさは短線ナ・マなどの曲がりを深めたものである。 (※速記基本文字総覧「中根式表象法」のウ・ス・ヌ・ム・ル・ワを参照) これが発表された翌年、即ち昭和8年4月15日発行の前記「速記研究」第100号の誌上で、浜田喜一氏は「加点基本文字改正私 案」として第2図の案を提示している。「除点四種線」と銘打ってあるように、いわゆる“最大線”を取り入れた行き方である。 (※速記基本文字総覧「浜田案」のウ・ス・ヌ・ム・ル・ワを参照) 一方この四種線に対して一種線いわゆる最小線を取ったのが中根正雄先生である。(先生は正世を正雄と改名された)「中根式 速記」(中根正世著)によると「ウスヌムルの代字」として「最小線」(長さ1ミリくらい)にして書き、加点省略。わかりにく い場合は小半円にして書きます。長音になった場合は小カギをつけます。」と述べている。第3図に示したのがそれである。 (※ウ・ス・ヌ・ム・ルは、オ・ソ・ノ・モ・ロを1ミリくらいで書きます。) |