極言


 「日本の速記」の本年6月号で、協会本部長の池田正一氏は「我が式の誇る省略法」という論文を掲げ

 中根式が言葉をあらわす文字の科学的検討に始まり、字音の性格を明らかにして、まず法則を考案し、理論的本画短縮に必要な る50音の配定をその後に決定したというところに、そもそも在来のものとその立案の根本精神を異にしているからであって……

と述べており、これこそ「創案者の名称を冠してはばからない中根式速記法の中根式たるゆえんの存するところ」と言っているの である。だとすれば、中根式においては、50音符号は、その立案の根本方針を満足させるための一手段であって、大切なことは50 音符号が単画でさえあればいいとまで極言できるのではなかろうか。


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