50音符号をめぐる問題点


 さて、私はそろそろ結論を急がねばならない。理論的に50音符号の改変は可能だとしても、まずその前に現行線に当てた音― ―サシスセ……タトを、線に置きかえて、果たしてその連綴に現行以上の効果が生ずるだろうか。創案者はわざとサシスセソ タトをあらわす符号を線に置いて、→線的感覚に近づけようとしたのではあるまいか。(当初は線は45度線であったのを正雄 先生により30度に改めたことは、→線的センスへの移行と考えられぬだろうか)仮にの音を置きかえが成功したとして、 しかもそれが中根式として普及されるとして、現行符号で学習し、また実務についている者との調整をどうするか。現在発行中の 教科書をどうするか。考えられ得るいろいろの混乱にどう対処するか。考えれば考えるほど、50音符号をめぐる問題点は大きく深 いのである。


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